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【80年代】2. Take Me With U/Prince & The Revolution/1984【曲ベスト2021】

80年代アルバムベスト30では、Lovesexyを挙げました。

しかし、曲としてはTake Me With Uを推します。収録アルバムは、プリンスの代表作でもある、Purple Rain。

聴きどころはストリングセクション。プリンス楽曲データベースとして名高い、PRINCEVAULTによると、この頃は手弁当で編曲していた模様。

Three of the tracks include a string section arranged by Lisa Coleman and Prince, conducted by Coleman and Melvoin: Take Me With U, Baby I’m A Star, and Purple Rain. ――3つのトラック(Take Me with U、Baby I'm a Star、Purple Rain)には、リサ・コールマンとプリンスがアレンジを務め、(リサ・)コールマンと(ウェンディ・)メルボインが指揮したストリング・セクションが含まれている
――PRINCEVAULT Album: Purple Rain

その後、プリンスがプロデュースした、The Familyのアルバム(残念ながらサブスクにはない)を皮切りに、プリンスはクレア・フィッシャーにストリングスアレンジをほぼ一任、ちなみに彼らは生涯顔を合わさず、テープだけのやり取りだったそうです。

西寺 それなのに、プリンスは'12年に亡くなった「長年の相棒」クレア・フィッシャーと一度も会わなかった。これは、結局プリンスの「クレアの仕事は尊敬するけど会いたくない」という意思だったんじゃないかな、と。――第18回 プリンス「クリスタル・ボール」 (1986年)【前編】

というわけで、プリンス&ザ・レボリューションによる、ストリングアレンジが聴けるのは、Purple Rainのこの3曲以外にはありません(多分)。個人的には名匠クレア・フィッシャーのアレンジに勝るとも劣らない出来。

2012年1月26日に彼が逝去してからは、再び手弁当でのストリングアレンジがなされたはず。Baltimoreが記憶に新しい、素晴らしいアレンジになっています。

余談ですが、曲ベストを挙げる際、はじめはTake Me With Uでなく、Wonderful Ass(1983、1984?)という曲にする予定でした。

ただ、これは公式リリースされたのが2021年のPurple Rainデラックスエディションで、それまでは未発表曲という扱い。少し変わった経緯の曲であるため、趣旨に合わないだろうということで断念しました。

かつては、90年代にRoadhouse Gardenというアルバムに収録されるぞ、とかいう噂もあったりして、非常にヤキモキしたこともあります。結局、その時はリリースは見送られました。

おそらく、プリンスが生きていたら未だにお蔵入りだった曲なので、思いは複雑です。まさに裏ベストとしてふさわしいWonderful Ass。

プリンス楽曲の中でも一位か二位を争うほどのファンクネス。かつて未発表だった曲の中で一番好きな曲です。

プリンスとウェンディ、リサの三つ巴のボーカルが最高。ここまで完成度の高い曲を”アルバムに合わない”という理由でお蔵入りさせてしまうんです。プリンスという人は。

……余談のほうが長くなっちゃった。

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