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【80年代】5. Zlý Sen/Jana Koubková, Jazz Q Martina Kratochvíla/1984【曲ベスト2021】

Zlý Sen、翻訳ソフトDeepLの自動判定によればスロバキア語であります。

日本語訳すると”悪い夢”。80年代曲ベストの第5位になります。

旧チェコスロバキアのキーボーディスト、Martin KratochvílがリーダーのJazz Qというグループの1984年リリースのシングル曲です。同じくチェコスロバキアのJana Koubkováという知る人ぞ知る、スキャットの名手であるジャズシンガーとのコラボ作品です。

私はこの曲のイントロを、2001年リリースのJazz Qのコンピレーション(正確には、シングル、未発表曲集とPororovatelnaというアルバムのカップリングCD)、”Album, Které Nikdy Nevyšlo / Pozorovateln”をどこかのウェブサイトの試聴で初めて耳にした時、ものすごい衝撃を受けて、これは買わねばと思い西新宿のガーデン・シェッドというプログレ専門CDショップに買いに出かけたのでした(その試聴したウェブサイトでは買っていないという)。

ちなみに各種サブスクでも、このコンピレーションが聴けるのですが、CDとは曲目が違います。

曲目の違いは各自でご確認していただくとして、一番痛いのはサブスクでは”Náhodou je prima”という曲が聴けないということです。映画のオープニング曲らしいのですが、おそらく日本未公開で詳細不明。

ピアノとサンプリングだかメロトロンだかわかりませんが人工的なクワイアサウンドとブラスセクションが目立つ、バラード嫌いな私が推す、バラード曲です。

話がそれました。肝心の”Zlý Sen”ですよ。

もともとは”Mini Jazz Klub 38”という7インチEPに収録されていた作品です。”Mini Jazz Klub”は確認できる範囲では45枚もシリーズ化されているEPでチェコの様々なジャズ関連アーティスト達がたずさわっている興味深いシリーズです。

すでにサブスクも解禁済み。ちなみに旧チェコスロバキアの国営レーベルだったSpraphonレーベルの作品は、割とサブスク解禁しているものが多いのです。このMini Jazz Klubシリーズも(数えていないですが)おそらく45シリーズほとんど、サブスクで聴けるはず。本物のEPは割と高値で取引されているのでかなりお得です。

Zlý Senを歌う、Jana Koubkováはスキャットの名手で有名なのですが、この作品では詞入りの曲を歌っています。どうですか、このイントロ。”悪い夢”という訳にふさわしくないほどムーディなイメージを醸し出しています。

手数の多いギターカッティングや、ラテンパーカッションが刻むリズム、それらを包み込むフェンダーローズのエレピサウンドや、ソロパート。どこをとっても聴きどころの佳作でしょう。

一方、スキャットの名手、KoubkováとしてはEP、2曲目の”Ovčí Vlna”のほうが本領発揮というところ。

それから、前述のコンピレーションでは3曲目にあたる1984年リリースの”Jsem Svá”もオススメです。”Zlý Sen”や”Ovčí Vlna”と比べてジャズロック色の強い一曲。

これは1984年リリースの7インチEPのようですが、Spraphonでなくもう一つの国営レーベル、Pantonレーベルからのリリースであるためか、サブスク化はされていないようです。

なんだか取り留めもない紹介になりましたが、こんな曲もあるんだなあと思っていただければ幸いです。

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