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nmプロセスノード
半導体の微細化
今日において最先端の半導体では、数nm単位の微細化が実現されております。半導体の微細化は、集積回路の性能上に不可欠な技術であり、微細化が進むにつれて、より多くのトランジスタを小さなチップに搭載できるようになり、処理能力の向上や消費電量の削減につながります。
これまでの半導体の歴史において、トランジスタの細分化が続けられてきており、米インテルの創業者の一人であるゴードン・ムーア氏によるトランジスタの集積度が2年で2倍になるという「ムーアの法則」も有名な話です。
半導体は、設計→前工程→アト工程の三段階でつくられており、ロジック半導体においてファブレスと呼ぶ設計専門の半導体メーカーが半導体を設計する。その次は、ファブレスが設計したデータを基に、シリコンウエハ上に半導体チップに作りこむ前工程があり、チップを一個一個ダイシングしてパッケージングする後工程があります。
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露光工程
半導体の微細化においては、後工程よりも前工程が重要とされており、前工程では成膜→レジスト塗布→露光→現像→ドライエッチング→洗浄→検査というプロセス概要となります。微細化にあたり特に難しいとされるのが露光工程です。この工程ではパターンマスクにそってレーザ光を照射し、ウエハにパターンを転写する工程ですが、露光装置で解像できるパターンの微細性$${R}$$は光の波長$${\lambda}$$に比例し、レンズの開口数$${NA}$$を用いると
$${R = k1\cdot \lambda/Na}$$
$${k1}$$はプロセス条件や光学系によって定まる比例定数です。
簡単に微細化を実現するためには、光の波長を短くすれば良いことがわかります。1980年代は水銀ランプから出るg線(波長436nm)、1980年代中頃に水銀ランプのi線(波長365nm)が使われるようになりました。1990年代後半には、KrFエキシマレーザの波長248nmが使われるようになりました。その後に開発されたのが波長13.5nmの極端紫外線(EUV: Extreme Ultraviolet)を使った露光装置です。
EUV
開発に成功したのがオランダのASML社であり、TSMCとASMLが協働して露光の練習を行い、2019年に初めて、7nmというプロセスノードのロジック半導体の量産にEUVが用いられました。現在にわたるまで、数nmのプロセスノードのロジック半導体はすべてEUV(を使いこなすTSMC)によって製造されています。
EUVとは、高エネルギーYAGレーザをXeガスに照射して、Xeプラズマを発生させ、その遷移放射により波長13.5nmのEUVを発生させることができます。光源で発生したEUVを均一化し、マスクに照射します。EUV自体は非常に繊細な装置となり
表面粗さ50pm以下のミラーレンズでEUV光を反射
EUVはさまざまな物質に吸着されやすく、酸素にも吸収される性質があるため、一連の操作は真空チャンバ―内で行われます。