ニトリ会長の経済予測から、2020年の株式投資で気をつけたいこと

年末年始の恒例になりつつあるニトリHDの似鳥会長の経済予測をここ3年間振り返り、2020年の投資方針に反映させていきたいと思います。

2018年の予測と結果

予測「円高、株価低下」を的中させる。
予測通り、為替は2018年3月に104円台へと円高に。
そして株価についても、2019年1月早々に2万円を切り、見事的中させます。

<2018年の予測>
おそらく、アメリカは'18年中に下降局面に入るでしょう。トランプが掲げた政策はうまくいかない。
私の見立てでは、その失速がはっきりしてくるのは'18年の第3四半期(10~12月期)くらい。そこから第4四半期('19年1~3月期)にかけて、状況はだんだん悪くなっていく。

その動きに連動して、まず為替市場が円高に振れていく。'18年は1ドル=100円近くまでいく場面もあるかもしれませんが、年末に1ドル=105~108円前後というのが無難な予測ではないでしょうか。円高によって株価も低迷し、日経平均株価は2万円をきるのではないか

業界の破壊を予測。19年にはZHDによる業界統合もありました。
アメリカでは「アマゾンvs.ウォルマートの2強対決」が進み、すでに多くの企業が淘汰・吸収され、2強の直接対決に収斂してきており、それはそのまま日本でも起きると予測。
2019年のZHDによる、アスクル、ZOZOやLINEとの経営統合にも繋がっていますね。

似鳥会長によれば、「アメリカで起きたことは、将来そのまま日本で起きる」。

アメリカはもう大変ですよ。'17年にアマゾンが約460店ある高級スーパーマーケットチェーンのホールフーズ・マーケットを1兆5000億円で買収したのは有名ですが、買収から数ヵ月もしないうちに、そのリアル店舗で値下げを始めているんです。それに対抗するように、ウォルマートも約3800億円でネット企業を買収してネット通販を強化し、独自の配送網も整備するなど大改革を推し進めている。

その煽りをモロに受けている『その他大勢』。これまで世界で日本だけがデフレだと言われてきましたが、アメリカでも2強が値下げ競争を仕掛けていることで、デフレ化が顕在化してきた。多くの企業がそれに耐えきれなくなっています。

2019年の予測と結果

予測「より円高、株価は2万円前後で20年以降の21、22年が底」に対して、結果「株価が2万4千円、為替は100円後半」と株価が若干外れました。

19年の円相場は年平均で「1ドル=100~110円。今より円高になるだろう」と指摘。19年末の日経平均については「2万円前後」と予想した。
本格的な景気後退は20年以降で21~22年が底とみる。「前回(64年)の東京五輪は終わる前から不況になった。過去にあったことは必ず起こるのが経験則だ」と指摘。「不動産価格も下がるとみており、不況時こそ思い切った投資をしたい」とも述べた。

2020年の予測

予測「105円前後の円高傾向。株価は2万2千円程度」。景気が悪くなる傾向を探る指標として「アメリカの景気、新設住宅着工戸数、東京五輪後」を注視。

20年についても全体的には105円前後の円高傾向になると思います。私の感覚としては、毎年1~2月ごろに日本企業が円を買う時期で円高に動く。そのときポイントになるのが105円を切るかどうかだと考えています。

20年の日経平均株価については引き続き日銀の買い支えによって大きな下げはなく、年末には2万2000円を中心に、2万1000~2万3000円の水準に留まるだろうと考えています。もしそれよりも下がるとすれば、アメリカの景気次第ではないでしょうか。

2020年の投資方針への反映

似鳥会長の教えから2020年の投資方針への反映として、
・20年の株価は2万2千円前後。なので昨年と同じく元手の8割で投資!
・ただし、21年から景気の底が待っているので、20年には景気が悪くなりつつあることを判断できる指標をちゃんとウォッチしておこう!
・その指標として3つをウォッチ。

 ①アメリカの景気を注視(アメリカから先に崩れる)
 ②新設住宅着工戸数が80万戸数になったら注意
 ③東京五輪以降の変化に

東京五輪以降、土地や建物、鉄をはじめとした原材料価格の低下、人材も買い手市場となるので、それを踏まえた銘柄選びをしたいと思います。

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