『フールナイト』9巻
相も変わらず「現在連載中の自分の最推し漫画」です。
ただ正直「アイヴィー編」があまりにも面白すぎたしあまりにも綺麗に終わりすぎた。
というかアイヴィーの話の終わりがこの漫画の終わりなのではと思うくらいガッツリしたストーリーだったので「その先」なんて本当に描けるのかな、失速しないのかな、なんて心配していたんだけれど
なんのことはねえ!!!
超おもしれえ!!!!!!
今巻から登場した新キャラ達がどいつもこいつもたまらなくイイ。ワクワクが止まらない。
アイヴィー編の初期もそうだったんですが、この漫画はこの、なんちゅうか、「デカい事件に向けて『物語』が力を溜めている」ターンがメチャクチャ面白い。
いわゆる「セットアップ」の段階ですけど、そこがただの設定説明とか謎を提示するだけにとどまらないオリジナルの魅力に溢れてると思うんですよね。
徐々に世界の真実が明らかになり、新たなキャラと新たな設定が開示され、それに対して各陣営が静かに近づいていき、接点が出来たり、すれ違ったり、それを繰り返し内にお話の臨界点までせりあがっていく。
その「準備段階」のターンがすっごい面白い。
なので「アイヴィー編」が終わって、新たにそのターンが来てるんだと思うともうゾクゾクしてきます。
たまらん。おもしれえ。
にしても「ガチ仏教」と絡めてくるとは思わなかったです。
この世界観で宗教ってどうなってるの?は確かにメチャクチャ気になるポイントなんですが、そこでオリジナルの新興宗教を出してくるんじゃなくて、「実在の宗教がこのSF設定の世界観に組み込まれたらどう受け止めるのか」を描くのはなかなか見かけない気がします。
そこで出される答えも納得感がありつつ「でもイカれてやがる感」もあって、凄く『フールナイト』バランスって感じ。
またあの寺院のロケーションもメチャクチャいい。ああいう見開き絵がパッと入ってくるのもこの漫画のたまらんとこ。
シンプルにかっけえ絵。
他の新キャラ達も全員たまらん。
四水さんの「顔面がもうマトモな人には見えません」という、この作者さんらしいイカれた描写は大好物だし。
あとセントラル側のスパイ達の描きかた。もっとミステリアスな描きかたにして、「俺達の敵は一体なんなんだ」感を煽る選択肢もあったはずだけど、あえてそういう部分を排除してる。
ただ働いて生きて少しでも良い人生を得たいと思っているどこにでもいる人達なんだという視点の描きかたになっているのが、それこそ主人公達の「霊花捜索課」と対になるようで、ここがぶつかり合う事になるんだろうなと考えるともうすでに胸がクッと締め付けられるよう。
そして最後にいきなり出自が明らかになったあのキャラ。そこも絡んでくるのかという三つ巴の未来の予感に背筋がブワッとなりなした。
いやーーーーーーー面白い。
やっぱり面白い。
超面白い。
本当に本当に、ちゃんと最後まで描ききらせてあげてくださいと願います。
やっぱり「連載中の自分の最推し漫画」はこの漫画です。最高!