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『あくたの死に際』3巻
小説家漫画って難しいのかなぁとか思ってしまった。
『響』を読んだ時に感じた事と似てるんだよなー。
ぶっ飛んだ性格の天才キャラとか「別にこれ、漫画家漫画でも良くない?」って感じちゃう。小説家でなきゃ成立しない漫画にあんまり思えないんだよなー。
「売れ方」に関しての業界あるあるとかは確かに小説家漫画な部分かもしれないけど、なんつうかこう、「お仕事漫画」が読みたかったのだろうか俺は、と感じてしまった。
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元々、1、2巻の段階であの後輩キャラの「ドラえもんっぷり」が凄い嫌だなーと思ってあんまり好きではなかったんですよね(ただの贔屓じゃんとしか思えなくて)
それでも面白いと感じて読んでたのはやっぱり主人公の物語が興味深かったからで。
それは「今までの人生」とのギャップの部分が面白かった。
「小説家を目指す男」の話が面白かったんじゃなくて「小説家になれなかった男」の話が面白かった。
なんだけど、なんかもうその期間(小説家を目指す事なく就職して生活してきた時間)が、まるで無かった事みたいになっちゃってるのがすんごい気になるというか、そこが「面白いとこ」じゃなかったの?みたいな気持ちになってしまって。
あのデータ消した嫁だか彼女だかもLINEが来たという2、3コマしか出ないとか、なんか、どーなんだろう。
この主人公の「死んだように生きてきたその時間」を作品に転嫁してくれる展開は絶対に必要だと思うんだけど(それが無いと本当にただ「出遅れただけの人」になっちゃうし、本当に「それまでの人生は無駄でした」という結論になっちゃう)。
でもなんかこのまま「新人小説家のあるある新生活」がスルスル始まっちゃうような空気感も感じる。
なんかもうちょいリアルとぐちょぐちょべたべたしててもいいのになぁと。せっかく「小説家漫画」なんだし。とか思ってしまう。
うーん。
単純に読む側として自分があんま相性良くないのかもしんないねえ。