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『ねずみの初恋』3巻
正直、2巻までを読んだ段階で、その設定とかあらすじとか、物語の展開とか、そこに付随してる確かな演出力とか「おお! 面白い!」と思って読んでました。
『世間知らずの殺し屋の女の子が初めて落ちた恋』
『その男の子の命を助けるために殺し屋として鍛えることにする』
って物語の流れはもうあらすだけでも「絶対面白くなるやつじゃん」と思えるし、それをしっかり見せてくれて、いい漫画だなーとは思ってました。
ただ、ただねえ、この3巻を読んで感想が変わりまして。
ただの「よく出来てる面白い漫画」ではなく「突き抜けてるなんだかとんでもねぇ漫画」なのではないかと認識を改めました。
なんつうか、いい意味で根本から裏切られた感じというか、読みながらシンプルに「すげえ…!!」と思って目が開いた感じです。
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個人的に自分が2巻までのこの漫画の中で一番好きだったポイントは「見開き絵の構図」だったんですね。
物語に関わる出来事が奥で起こっている時に、その手前に関係ないモブの人達が描かれているっていう構図が何回かあって。
世界の常識から外れた「殺し屋の初恋」というぶっ飛んだ物語なのに、それが「外に世界がある中で描かれているんだ」という宣言みたいな構図。
単純に絵としてもとってもいいし、それと同時に「殺し屋の初恋」なんていうどこまでもロマンティックに描いたっていい話なのに、「その物語に酔っぱらっていない」とも取れる描きかたというか。
そのバランス感覚と、そんな構図を「見開きで見せる」という作者のしっかりした意思に、「あー、すげえよく考えられてる漫画だなぁ」と思って好きだったんですよね。
ただ、絵柄的にぶっ飛んだりする訳じゃないし、女の子は現代的な流行りから見てもちゃんとカワイイとなるキャラだし、すごく読みやすい漫画の中にそういう「面白い演出」を要所に挟んでくる。みたいなイメージだったんですね。
それが、この3巻で、なんちゅうか、溢れだしたかのように「演出力が大暴れ」していまして、それはもうやりたかったことを解放したかのようなノビノビっぷりで。
そのどれもが、どこか乾いた空気と、無常な世界の美しさを描いていて、それがノンストップ血みどろどアクションの中にぶちこまれている感じで、読んでる時の正直な感想は「うわーーーーー!!!」でした。
「なんかすげえもの読んでるーーー!!!」と久し振り食らった。
いやぁぁぁ面白い。すげえ。
こんな感じになるとはちょっと予想してなかった。
元々見開きのこともあって「演出力のある人」だとは思っていたけど、それがこんなに大暴れするとは。たまんねえや。
メッッチャクチャ面白いです。すげえっす。
ただ3巻のラストのあそこから、お話的にどーなるんだ???
次巻予告に完結とは書いてないから続いてくれるんだとは思うんだけど、どう続くんだ???
今でも充分超面白いんですけど、なんか、それ超えてとんでもねえ傑作になる予感がプンプンします。
こういうの読むと「漫画好きで幸せだぁ」となるねえ。いやぁ次巻が楽しみだ。マジで。