見出し画像

『NO\NAME』1巻

付けられた「名前」がその人物の「能力」を意味する世界で、命名局に勤めるコンビが事件解決の為に捜査する異能力サスペンスアクション。

面白いのが原作も作画も海外の人なんでベースは完全にアメコミ(BOOM!みたいな擬音表現は全部英語)。
でも日本的な「能力バトルマンガ」感もありつつ、主人公コンビが世界を裏から操る巨悪の存在に近づいていく刑事アクションのバディ物としての王道ストーリーでもありつつで、美味しいとこ特盛りな感じで楽しいです。

「名前」がそのまんま「能力」になるという、ある意味直球過ぎる設定も、ちゃんと「そういう能力がある世界で作られる社会」が考えられて構築されてるし、「じゃあ『名前』ってなんなの?」っていうそもそも論にもちゃんと触れてる(そこは物語が進行すればもっと深く掘られていくんだろうなと思える)。
肝心の能力も「同じパターンの名前から発生する能力(熊を表す名前なら熊の能力)」にも色々発現の仕方があるのでパターンが違うってのをしっかり描いてるのも好印象だし、恐らくそこを描くための「熊の名前能力トーナメント」も「次はどんな熊の能力が出てくるんだろう?」とワクワクさせてくれるサブ軸になっててとてもいい。
思い付きで作ったみたいな設定だけどすっげえちゃんとしてる。

それぞれのキャラもちゃんと立ってていい感じ。
主人公コンビの「能力」も、男側のラルフ(狼使い)は「能力を持った狼を呼び出す」で、女側のアースラ(熊)は「自分の体を熊化させる」で役割分担がしっかり出来てるのもいい(ちょっと『ドロヘドロ』の心&能井や、『戦車椅子』の黒坂兄妹を思い出したり)

全体的にすげーよくできてるし、絵柄はかっけーし、ふっつーに面白いマンガとして楽しく読みました。

ただひとつだけ残念なとこがあるとすれば、肝心の「名前が能力になる」というその名前が、「外国の名前なんで実際そうなのかわからん」っちゅう部分で。
日本だったら「狼太郎」や「熊子」みたいな感じなのかしら?
そこで語呂を引っ掛けて遊んでたりするのかね?
そういう「言語から来るユーモア」の空気を感じられないのは残念ですわ。

とりあえずふっつーに面白かったので続きも楽しみにしてます。

にしてもジャンプ+はすげーなぁ。
弾揃ってんねえ。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集