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『雷雷雷』3巻

たまたま買った漫画が『アヤシデ』『スーパーボールガールズ』『雷雷雷』と「人間が制御できない力を持った主人公達が巨大な組織の中に研究材料兼戦闘要員として所属することになる」という似てる内容が3連続で続いてビックリ。
最近流行ってきている気がする「大怪獣物」の漫画が多いのも似た流れなんでしょーか。

『雷雷雷』は読んだ中では一番キャラクターが魅力的でした。
主人公もそのバディ役も、ちゃんと「好きになれる奴」なのがとっってもいい。
謎やら運命やら力やら、そら色々あるかもしれないけれど、まずは「好きになれる奴」かどうかが結局一番大事です。
そういう意味で主人公コンビをはじめとして、他の連中も好感が持てるキャラばかりで、いい意味で「漫画してる!」感じでとっても楽しい。

あと自分が最近感じてる、こういう国家(もしくは国家級の大企業)に主人公が所属する際に、ちゃんと「大人サイド」の登場人物が描かれているかどうか問題というのがありまして。
個人的に『チェンソーマン』の第2部に凄く感じてるんですけど、1部では子どもである主人公のデンジの対になる存在として「完璧な大人」としてマキマさんがいたわけです。
でも2部になってマキマさんがいなくなってからは出てくる「公安」がどうにも嘘くさく感じるというか、「国の組織」という説得力を欠いて見える。むしろ幼稚な設定の部分が浮き上がっちゃってる感じがするんですよね。
その中で「公務員ぽくないキャラ」が出てきたとしても、キャラの魅力に繋がるより先に組織としての魅力を失ってしまうように感じてしまって、やっぱ「大人」の存在が作品中に感じられないと(特に「組織」ならなおさら)悪い意味で嘘くささが際立っちゃうよなぁと思うのです。

「こういう組織があります」と宣言すればそれだけでリアリティがうまれる訳じゃないじゃないですか。
でも成り立ちやら維持やらのシステムを全て説明も出来ない。
そこを「わかんねえけどたぶん裏でうまいこと成立させてくれてるんだろう」と思わせてくれるような大人キャラの存在はやっぱりとっても大事だなぁと思います。
(『スーパーボールガールズ』に関しては大人どころか「組織ぽいのに顔出してるキャラひとりだけ」という有り様で。ソイツが全部担えるような強烈キャラかといえばそんなに面白キャラにも感じなくてねえ。困ってしまった)

話は『雷雷雷』に戻りますが、主人公が所属する組織が「国家」でなく「企業」なところがこの漫画の更に面白いとこだなーと思います。
「大人サイド」である社長もギンギラでいいキャラしてるし、ライバル企業の社長も出してきてバチバチという設定もいい。
対して個人のキャラクターが金に困ってるとか世間知らずとか生活感寄りで描かれてるのも「大人サイドが作る大きな流れにいつの間にやら巻き込まれてしまう個の物語」として、凄くいいバランスしてると思います。

総じて言うと『雷雷雷』は面白い!

わかりやすく漫画していてとってもいいです!
好きーーー!!!

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