『ドッグスレッド』4巻
相変わらずらしい漫画を描くなぁ。
ちょっと過剰なオモシロキャラを雑にも見える勢いで放り込んでいくけど、所々でちゃんと交通整理して読みやすくするバランスを忘れないのがとってもこの人らしい。
あと「何かに囚われている人」というネガティブ寄りの感情を持ってるキャラの方が、どうしたって魅力的になってしまう感じ。
その人の「業」というか、「呪い」に近い感情を持ってるキャラが出てくると途端にグッと面白くなる。
だから「勝って当たり前の伝統校が20連覇を成し遂げられなかった件」に関わるキャラや想いが出てくると面白くなる。
一方でその周辺に全く関わりがない主人公のロウが今後どういう関わりになってくるんだろうかという。
ロウ自体の「業」と「呪い」に関しては1話でたっぷり描かれているから(あの「第1話」は本当によく出来てると思う)、本人がそこに未だに囚われているキャラとして暴走していくのか。
それとも「美しいか美しくないか」という狼之神高校には無かった独自の視点で他のキャラの「呪い」を解いていくような存在になっていくのか。
まだどっちかわからない。
次巻で1年生主体の試合シーンががっつりあるっぽいので、たぶんそこでロウがどういう活躍をしてどういう存在になるのかが一旦確定するんだろうと思う。
そこら辺含めて次が超楽しみ。
にしても「主人公が初めて公式に試合することになる相手の高校」が、「反則なんでもござれのド不良高校」っていうのも、こういうスポーツ部活ジャンル物としてツボ押さえてていいね!って感じ。
こういうのは絶対面白くなるんだから、古き良きパターンをガンガン踏襲していいと思うのよね。
舞台だては「お約束」でも絶対にこの漫画独自の面白さになるから。
相手のド不良高校の連中もこの作者らしいキャラ立ちしてて今から試合が面白そうっす(「この年代の高校生」でキラキラネームってちょっと早くないか?って気になったんだけど実際どうなんでしょうか。時代考証は気を使ってる感じがするからむしろ「この時代らしさ」としてやってんのかな)