歴代最高への挑戦 〜第98回箱根駅伝 帝京大学振り返り〜 そして未来へ〜
(https://www.rikujyokyogi.co.jp/archives/51414 より引用)
2022年1月2,3日に開催された第98回箱根駅伝も圧倒的な強さを見せた青山学院大学の2年振り6回目の総合優勝を果たしました。
このnoteでは帝京大学の1月2日3日を振り返り、また来年度以降の展望もしたいと思います。
🔥1月2日 往路2位🔥
出雲駅伝8位、全日本大学駅伝は13位と4年連続のシードは取れず、決して前評判が高いとは言えない中迎えた1月2日。
エントリーが出た段階では「シード落ち筆頭」とすら他ファンからは言われましたが各選手が素晴らしい走りを披露し、 往路過去最高順位&帝京大往路記録となる2位 5時間24分43秒 でのフィニッシュには筆者も驚かされました!!
正しく「箱根駅伝は4年生のもの」を帝京大学の4年生が魅せてくれました。
1区 小野隆一朗(北海道栄②) 1:01:51 区間8位 通過順位8位
今年も出雲・全日本と1区を走った小野選手。全日本では苦しい走りになったが箱根でも1区起用は変わらない。
過去最速ペースで進み 10000mのベストより速い10kmの通過 となりましたが食らいつきます。
六郷橋手前の日本薬科大中山選手の仕掛け、六郷橋での東海大市村選手の仕掛けにもなんとか耐える、下りではちょっとキツくなりましたが最終的には1時間1分51秒の好タイム!粘りきりました!
来年以降はエースとしての活躍が期待されます!
2区 中村風馬(草津東④) 1:07:10(帝京大記録🔥) 区間8位 通過順位5位
過去2年間の箱根駅伝はいずれも区間9位と安定感のある走りを披露していた中村選手。
大島合宿の25km後の2kmではトップでゴールする姿等走りでチームを引っ張っていました。
横浜駅までは抑えめに入り、集団として前を追う展開。
10km過ぎから抜け出しかけていた留学生2人に権太坂付近で追いつく、そこからは並走が続きラストの戸塚の壁で 留学生2人を振り切りにかける大勝負!!これが大成功! 権太坂から戸塚中継所間はライモイ・ヴィンセント選手に次ぐ 全体2位!!素晴らしい走りでした!
卒業後は富士通で競技を継続する中村選手。
4年間お疲れ様でした!
3区 遠藤大地(古川工業④) 1:01:39 区間4位 通過順位3位
最終学年を迎えた「湘南の神」遠藤選手。今年は出雲・全日本共に好調で、日本人最高記録の更新も期待されました。
相変わらず思い切った突っ込みで藤沢では区間2位。次の茅ヶ崎での定点では多少タイムが落ちましたが、粘りの走りを披露。
しかしやはり「湘南の神」は湘南に出てから強かった。茅ヶ崎以降の2つの定点区間では4位3位と流石の一言。
ラスト中継所手前の太陽に照らされながらのアングルに心を奪われた方も多いはず。
本当に4年間ありがとうございました。同郷の誇りです、貴方の人生に幸あれ。
4区 寺嶌渓一(前橋育英④) 1:03:30 区間14位 通過順位4位
前回の箱根を経験し、今年は5000m,10000m共にベストを更新してきた寺嶌選手。
序盤から思うようにペースは上がりませんが、18.7km付近で追いついてきた創価大の嶋津選手と共にペースアップ。これは追いついてきた嶋津選手に助けられました。
約2km続いたデッドヒートは 中継所手前で寺嶌選手が猛スパート!最後は逃げ切って4位で前回区間賞の細谷選手に襷リレー。
卒業後はJFEスチールで競技を継続する寺嶌選手。
4年間お疲れ様でした!
5区 細谷翔馬(東北④) 1:10:33(5区歴代2位✨帝京大記録🔥) 区間賞 通過順位2位
昨年の箱根5区区間賞経験者ではあるが、今年は進路の関係で調子が上がりきってなかった細谷選手。
その状態が心配されましたが、心配を吹き飛ばす快走を今年も魅せてくれました。
定点区間トップは1度もありませんでしたが、定点区間5位→3位→2位→4位→2位→2位とハイレベルな走りを披露。あの 柏原竜二 さん以来となる2年連続の区間賞を獲得!!
東京マラソンでは学生歴代3位となる 2時間9分18秒!! 卒業後は公務員ランナーとして、K-Project(恐らく加入と思われる)の選手として競技を継続する細谷選手。
素晴らしい帝京大の「山の神」でした!4年間お疲れ様でした!
🔥1月3日 復路17位🔥
往路を2位で終え、目標の総合3位どころか総合優勝も狙える位置に。
復路全区間で2桁順位、復路17位と苦戦はしたが攻めと粘りの走りを融合させ順位を守りきった。
6区 北野開平(須磨学園③) 59:59 区間16位 通過順位4位
昨年から6区候補に上がっていた北野選手。今年は 5000m,10000m共にベストを更新。更には法政大との20km合同TTでは2位と躍進。 満を持して6区起用となりました。
下り適正をある程度見せることは出来ましたが、ラスト3kmは苦しい走り。なんとか59分台・4位で襷リレー。
箱根を経験し、新チームの主将を任されたという事もあり新チームでは引っ張っていかなければなりませんが、彼ならやってくれるはず!
7区 福島渉太(小林①) 1:05:03 区間13位 通過順位4位
1年生にして 10000m28:57.49をマークし7区に抜擢された福島選手。
順大西澤選手との差を詰める場面もありましたが、それ以降はやや苦しい走りに。
それでも4位で受け取った襷を4位でキープし走りきった。この経験を来年度以降に活かして来年は往路主要区間(4区辺り)を期待したいです。
8区 橋本尚斗(鳴門④) 1:07:21 区間16位 通過順位7位
前回の箱根駅伝では9区3位好走し、出雲・全日本共にエース区間で出走、箱根駅伝は2区の予定だった橋本主将。
しかし、12月中旬に左脚を痛め、ノーラン調整で8区に合わせてきました。
遊行寺までは痛みもあり苦しい走りが続きますが、影取から戸塚中継所の最後の定点区間では12位と上げ東海大・東洋大との7位争いに勝ちきって襷リレー、主将の意地を見せてもらいました。
卒業後は地元徳島の大塚製薬で競技をされる橋本選手。
1年間主将、そして4年間お疲れ様でした!
9区 森田瑛介(前橋育英④) 1:10:29 区間12位 通過順位10位
4年目にして 5000m,10000m共にベストを大幅に縮め出雲・全日本共に駅伝を経験した森田選手。
権太坂・横浜駅までは攻めの走りで区間上位をキープしますが、横浜駅以降失速。苦しいラストになってしまったが、それでもシード権の10位はキープしつつ4年生の意地を見せてくれました。
卒業後はNTTビジネスアソシエ東日本に進みNTT東京?(恐らく)で競技をされる森田選手。
4年間お疲れ様でした!
10区 西脇翔太(名経大高蔵②) 1:10:31 区間10位 通過順位9位
シード権ギリギリの10位で襷を受け取った西脇選手。32秒差でスタートした法政大学との差を気にしながらどういった走りを見せてくれるのかと思ったら思い切った突っ込み!
5.9km地点蒲田でトップの 17分16秒! 思い切った突っ込みで法政大学との差を一気に58秒まで広げました。
新八ツ山橋以降は伸びきりませんでしたが、区間10番付近で耐え最初の貯金を最後まで守り抜き9位でフィニッシュ!これで5年連続シード権を勝ち取りました!!
来年度以降はエースとしての活躍が期待されます!
🔥総合成績 9位🔥
往路2位からの総合9位は悔しさもあるかもしれません。しかしこれで5年連続シード権獲得!!帝京大より上は青山学院大と東洋大しかいません。高校時代の実績からすると本当に素晴らしいチーム作りです。
今大会の主要区間を担った選手は抜けますが、また新戦力が出てくる事を期待したいです。
未来へ 〜新チーム展望〜
(学生ハーフの帝京大勢結果)
さて、強い4年生が抜けた帝京大ですが来年度も戦える戦力は全然あります。
・新4年生
まずは1月末の大阪ハーフで62分40秒を記録し、学生ハーフでも21位(63分01秒)の 新主将北野選手。 3年時に10000mのベストを74秒も更新し、学生ハーフ63位(64分12秒)の 元永選手。 2年時に箱根駅伝16人エントリーに入り、10000m29:31.05の 山田選手。 1年時にハーフで63分30秒を出し箱根5区候補として期待されている 新井選手。 3年時に5000m,10000m共にベストを更新した大花選手、藤尾選手、中野選手。
この辺りが新チームで駅伝メンバーに絡んでくると思います。
・新3年生
箱根駅伝1区好走の 小野選手。 10区10位の 西脇選手。 この両選手はエース候補です。先日行われた学生ハーフでは、西脇選手が9位(62分25秒)、小野選手が17位(62分56秒)と他校の主力とも互角以上に戦えています。学生ハーフで64位(64分12秒)の 針谷選手。 学生ハーフでは奮わなかったが、箱根16人メンバーで法政大との20km合同TTトップの 末次選手。 同じく箱根16人メンバーでスピードのある 大吉選手。 10000m31分台後半から29分40-50秒台に乗せてきた 日高選手、大類選手。 5000mチーム7位の 塩井選手。 ら力のある選手は多いです。
・新2年生
箱根駅伝7区を経験し、10000mチーム3位の 福島選手。 全日本大学駅伝7区11位で10000mチーム4位の 小林選手。 10000mチーム7位の 福田選手。 5000m持ちタイム1位で入学した 内藤選手。 積極的にレースに出場し、ベストを更新している 林選手。 5000mのベストを40秒も更新した 黒木選手。 岩本選手、西久保選手、山中選手 辺りにも期待です。
・新1年生
新1年生の1番の即戦力は 柴戸選手 でしょう。高校駅伝エース区間の1区で3大会全てで好走。5000mのタイムも14:06.83まで伸びてきました。
5000mのタイム1番手は 栗田選手。 14:00.04は恐らく帝京大歴代最速の1年生です。駅伝でも千葉4区区間賞とロード適正もありますし、インターハイ南関東大会1500m6位とスピードも十分。 山口選手 はインターハイ3000msc 3位の実力者、高校駅伝でも1区や4区と長距離区間を担っています。
島田選手、田中選手も1区経験が豊富。特に 田中選手 はインターハイ東北大会5000mで國學院大に進む鎌田選手等の自己ベストが上の選手や2年生の有望株選手に勝っています。 島田選手 も1500mで東海大会に進む等スピードはあります。
鎗田選手 はインターハイ南関東大会3000mscのチャンピオン、全国でも決勝まで進んでいます。ロードでも千葉3区3位と実力十分。
インターハイ京都大会1500m3位の 大谷選手 は溜池選手と0.4秒差、駅伝では5km区間で京都・近畿共に区間2位。 森田選手 は長距離区間で結果を出し続けています。細谷選手、川上選手 も大舞台で結果は出てませんが地区レベルでは区間上位で走っています。 山下選手、板橋選手 は3km区間での出走だけだったため、これからの距離対応に期待です。
福岡駅伝1区5位の 尾崎選手 や、インターハイ北海道大会5000m5位、2年時には北海道地区駅伝で1区区間賞の 藤本選手 、天海選手 も8km区間で結果を残しているので距離対応をしっかり行い上級生で活躍してほしいです。
若林選手、布野選手 は雑誌では名前が載ってなかったみたいなので駅伝競走部じゃないかもしれないですが、駅伝部に入部した際は期待したいです。
まとめ
・4年生が守りきったシード権、未来へ繋がる1年 ・新4年生がこの1年で大分伸びた!次の1年にも期待大 ・小野&西脇がWエースへ!覚悟の学生ハーフ ・福島、小林、福田の3本柱!内藤の距離対応はどこまでいくか!? ・新1年には実力者多数!未来の黄金期へ〜
2021年は間違いなく未来に繋がる1年間でした。それを4年生が体現してくれましたし、3年生以下も繋いでくれると私は信じてます。
これからも帝京大学駅伝競走部を全力で応援させていただきます。
ここまで読んでくださった方本当にありがとうございました!次回もよろしく!!