W杯#4 日本2-1ドイツ〜強襲とパルプンテ〜
日本代表のW杯がいよいよ始まりました。一夜明け朝のテレビを観てもおばあちゃんが四六時中つけてるラジオが聞こえてきても、そして大学を歩いていても話題はW杯。いかにW杯が大きな大会であり国民に感動を与えるのか肌で感じました。相手は超強豪、ドイツ。結果はご存知の通り勝ちました。本日、もう一度試合を見直すと興奮で見えなかった事も少し分かった気がするので、振り返ろうと思います。
スタメン
親善試合のアメリカ戦をイメージしたような布陣。
守田、冨安の2人は怪我明けも考慮かベンチスタート。
スタメン紹介時はこの形でした。
結果、ボール保持時は3バック可変でしたね。3-2-3-2
前半開始
キックオフ、互いに素早いプレスをかけあいましたが、初戦の開始早々失点は避けたい両チーム。奪われないように大きなプレーをするシーンが目立った気がします。その中で前半8分、鎌田がギュンドアンからボールを奪いショートカウンター。鎌田→伊東→前田でネットを揺らすもオフサイド。日本が奪いたい場所と狙いの分かる1シーンでした。しかし、これ以降ゆっくりドイツがボール保持し、ドイツペースになりました。
配置で殴るドイツの前半
日本のDFは4-4-2。ペナ幅でセットしました。コンパクトにしてハーフスペースをうまく使わせない作戦。
それに対してドイツは保持時3バックに変化して3-2-3-2で押し込み始めます。
ドイツは左SBのラウムを押し上げてCBもできるジューレを絞り3バックに。右サイドの伊東はこのラウムまでマークに行きませんでした。僕的には、ラウムを抑えることよりも、スピードのある伊藤が中途半端なポジションに立つことでカウンターの可能性を残して少しばかりの怖さを与えようとしていたように感じました。完全にラウムについて吸収されると、ラウムは抑えられても攻撃に転じた際、日本が狙い続けたサイドを使うことが困難になったかもしれません。
守るだけではなく、ゴールを狙いにいく気だってあるよというドイツへの意思表示に感じました。
実際33分の失点までに、日本が敵陣深くに押し込んだのは20分の1度のみだったのでこれが正解だったのかは分かりません。
また、ドイツはミュラーも日本を困難にさせました。
ジューレがボールを持ち、久保が独断(?)でプレスをかけるとミュラーはサイドに流れてパスコースを作り前進しました。
開始時の立ち位置として久保の対面はジューレでしたが、可変もされた上、位置的にも奪うのは難しいです。加えてミュラーがビルドアップを図のように手助けしたので尚更です。
また、このミュラーの動きにより日本の中盤、田中も引きずり出されました。すると中盤は遠藤が1人で守ることになり日本のミドルサードは支配されました。
そして、最終的にはドイツの左、ラウムの深いところを利用して日本を脅かし続けました。
一方で日本のビルドアップはうまくいきませんでした。権田は蹴ることはせずにまずはCBにつけていました。しかし、ビルドアップはできずに最終的に蹴る→ドイツ回収→ドイツのビルドアップといった風になりました。この点はビルドアップの逃げ道を作るのが上手な守田の不在が響いたのかもしれません。
このように前田の幻の1点以降は永遠とドイツペースで前半終了。2点目を決められていたら試合は決まったと思います。
後半開始〜殴り合い〜
後半開始日本は久保を交代して冨安を投入。5バックに変えました。
この変更で日本はドイツのビルドアップに対抗しました。ドイツの3バックに日本の前線3枚が捕まえにいきます。そして苦しめられた日本の右サイド、つまり左のラウムは酒井がついて行くことにして誰が誰を見るのかハッキリさせることができました。この強襲でドイツに前半のようにビルドアップはさせませんでした。
また、この5バックは日本のビルドアップの改善にもなりました。冨安が入ったことによって、前半より1枚分ビルドアップ時の選択が増えたからです。
前半はハメに耐えられずすぐにボールを蹴っていた日本ですがこれにより、少しだけボールを持てる時間が長くなりました。最終的にキツくなったら場合はロングボールを前線の裏に蹴って前プレ再開。これを繰り返して、ドイツにペースを握らせませんでした。
これに対してドイツも3バック可変をやめ、ラウムの位置を下げましたが、ここにも酒井はついていきました。もちろん、それに伴い酒井の後ろには広大なスペースができるため、攻略され、ピンチもありましたが日本からすると失点上等殴り合いじゃ!でした。
次の1点を両チーム取りにいきました。
後半11分
長友→三笘 前田→浅野
2人は代わった選手と同じポジションに。
後半21分
ミュラー→ホフマン
ギュンドアン→ゴレツカ
後半26分
田中→堂安
後半30分
南野→酒井
前線はフレッシュなので前プレを継続できました
三笘のWB
代わった日本の切り札三笘は長友と交代してそのまま左WBに。これについて考えてみました。
三笘のWBは、何をもたらしたのか。僕は大外レーンを取らざるを得ない場所に三笘を置けたことだと思います。今までの4バック時を考えてみます。
三笘は、青とピンクの位置でのプレー成功率は低いです。三笘が真に力を発揮するのは黄色のゾーン。これまでの試合で三笘を1番活かせていたのは負傷で代表離脱をした中山雄太でした。中山が青の配置をとることで三笘を活かすことができました。
しかし、中山は離脱。相方問題の解決策は???
この試合においてそれは、三笘をWB(SB)の位置で使っちゃおう❕でした。
このWBで使うことにより半ば強制的に三笘が青の位置に立つことはなくなります。そしてこの青の位置でサポートするのが前線の南野、中盤の鎌田(田中)になって青を埋めます。これによって1点目が生まれました。南野はペナ内で仕事をするのがストロングのセカンドストライカータイプなので共存ができました。あれはブライトンで三笘がよくトロサールに出すパスでしたね。
次にピンクの部分の話です。WBだとピンクの部分でボールに触れる機会が多くなると思うかもしれません。しかし、後半日本は前述の通り5バックで誰が誰につくのか明確にしました。だから、三笘が対面する相手からボールを奪えば相手と入れ替わるのでとられることなくタッチラインをドリブルで運べる訳です。これができたのが同点直後のシーン。押し込まれた所をホフマンから三笘がボールを奪います。ジューレがオーバーラップを仕掛けたことも重なりますが、低い位置でボールを受けましたが一気にペナ角まで三笘はボールを前進させました。この時に南野はオーバーラップを選択しましたが、これがインナーラップ、もしくは青の所で受けれるとフィニッシュまでいけたかもしれません。
これを青で埋めるのかインナーラップをするのか1人で判断し続けたのが中山でした。
これを後半開始後ハマっていた5バックを4バックに戻す。試したことはないけど冨安がアーセナルでは内を埋める左サイドバックをやっているので中山の代わりに使う。そして三笘をいつもの位置で使うとしたら交代はもっと遅い時間帯だったのかなと思います。(せっかくハマった5バックの解体にはリスクがいるから)
この布陣で三笘WBを決断できたのはユニオンSGでWBで起用されていたかなと思いました。ユニオン様様。
このようにして三笘のWBを最大限に活かせたのではないかなと思います。
こうしてスコアは1-1に。
逆転
そして後半38分、浅野あるあるパルプンテ。
突拍子もないところから浅野はよく結果を残します。
板倉からFKのロングボール一本。前半からのゴールキック含め、1発目では蹴らずちょっとでも繋いでから蹴り続けていた事がドイツに油断を与えたのかもしれません。
ドイツ目線でこの得点がなぜ起きたのかはこのツイートのツリーに詳細が書いてありました。
ついに逆転。残り時間は押し込まれるも高い集中力でシャットアウト。
遂に歴史的大勝利を果たしました。
試合を終えて
正直2点目を決められたら詰んでいた。それでも今回は決められなかったこと、そして後半の権田の連続セーブや酒井が外した決定機のきっかけの遠藤の気迫溢れるDF。こういったものが流れを引き寄せていったのだと思う。スタッツを見ても勝てた事がおかしいくらいのスタッツだ。それでも今回勝てたことは歴史に刻まれて全国のサッカー少年に夢を与えた。結局はこれを積み重ねるしかないのかもしれない。そしていつの日か世界の強豪と正面から戦って勝てる時代を見たいです。
いかがでしたか?
間違っているところもあるかもしれませんが楽しんで振り返ってもらったなら幸いです。
僕は見直してこの程度しか書けませんが、有識者はコレを試合中に理解して解説したり現場の人も判断しているので本当にすごいなと思いました。
拙い長文を読んでくれてありがとうございました!
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