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2024上半期ベストアルバム

J HIPHOP、邦楽で分けてみますか。ベスト3ずつ発表。順位は6月末にはとっくに作っていたけど、文を書く気にならなくて今更投稿。

J HIPHOPアルバム

3位 valknee『Ordinary』

私が最近好むJ HIPHOPには共通点がある。それは、面白いことを言っているか否か。オルタナや国外HIPHOPはどうしてもミュージック偏重で聴くぶん、以前よりJ HIPHOPにはリリックも見るようになった。多ジャンルの音楽を聴くようになり、今までよりリリックにも脳みそを働かせられるようになったからだと思う。もう少し前までは、J HIPHOPもミュージック重視で聴いていたから。

valkneeはリリックが面白いラッパーの代表格だと思う。

「ICEBOXに9%やりすぎ、弱冷房回避してるギリ、だってペイするキャッシュがない日々、私ゴールドなる木に」、「バカ寿司食ってダベり、シャバイサーモンチーズ炙り、狂ってる物価毎日、たまに乗っちゃってんのタクシー」など、普通に笑えるだけでなくHIPHOP精神ゴリゴリ。

リリックだけ見てもvalkneeかなと思えるものは、本人のものになっているということだろうし、ラップである意味があると思う。あと、それぞれの曲で繰り返されるワードがいちいちチャーミーで頭に残る。ミュージックもダンスミュージックで踊れるし、かなり好きでした。

2位 Dos Monos『Dos Atomos』

HIPHOPにしていいものなのか、かなり迷った。そのくらいミュージックは色んな音楽が鳴っているし、本人たちがこのアルバムからDos Monos第二期としてHIPHOPクルーからロックバンドになると言ってたから尚更。でも、ラップをしてはいるし、もはやHIPHOPに限らずジャンル分けが難しい音楽だらけの昨今だし、というところでここに入れた。

リリースライブがXでかなりの量回ってきた。あの現場に居た人はとんでもないものを見たんだなと思う。

Atmos(原子)が表すように、剥き出しというか、ストレートというか。イヤホンをつけてこのアルバムを聴くと、いまからこのアルバムと戦うんだという気さえする。前からではあるけど、RIZINのテーマソング的なのに今回も起用されたのは、自分の極限を肉体的に相手にぶつけるという、ある意味ではシンプルな格闘技との親和性が高かったからで、それはこのアルバムが剥き出していることの証明でもあると思う。アルバムを聴き終えたあとには「終わった!」という感想が毎回残る。長いというわけではなくて、「戦った!」という気さえしてくるから。

1位 MIKADO&TOFU『New Vintage』

ここ数年盛り上がりが凄まじく、シーンの話題にも度々上がる和歌山から2人のラッパーが放った作品。なんといっても特徴はダブルミーニング。笑えるしカッコいいのずるい。

「ずっとソフトバンクなのに今年変わるキャリア」、「俺は鼻からいく白浜」、「プリント割れるまで着たギャルソン、でももう割れない俺のハート」みたいな良パンチラインだらけ。

まず、王道的なカッコよさをもつHIPHOPで普通に聴いていてもカッコよく聴ける上にコレだからすごい。客演もlj、HARKA、7と和歌山のラッパーから。クルーを結成しているわけではないけど、音楽性の趣向と地元を押し出す姿にBADHOPをどこか感じる。でも、みんな若いし、これからそのくらいシーンに名前を残していくんだろうなと思う(言った!!)。

邦楽

3位 柴田聡子『Your Favorite Things』

甘い声と優しい音色が特徴的であるけど、それでも足場ははっきりと確認できる感じ。何よりそこがいい。正直、全曲グッドミュージック。それなのに、一曲一曲がつぶし合わずシームレスに次の曲へ移っていく。それも色んな音楽が展開されていくにも関わらず。一曲一曲はミュージックに足場があるのに、アルバムとしては声に足場があるからこのように感じたり、あるときには一曲一曲は声に足場があって…と反対にも感じたり。

多分私が思っている以上にとんでもなく難解なのだと思う。それでも、大衆が聴いても心地よさを感じられるくらいポップに寄せてくれてもいる。究極のバランス感覚。

少し話は変わるけど、今度柴田聡子とElle Teresaが2マンライブするの正直かなりやばい。

2位 藤原さくら『wood mood』

昨年VaVaがプロデュースしていて、懐かしい〜と思ってSNSフォローしてた藤原さくら。今年のアルバムは自分が知らない藤原さくらだった(1番知ってたのは福山雅治とドラマ出てた頃)。当時の少女から一変、大人な雰囲気を纏ったアンビエントジャズ。あまりにも聴き心地が良いと思えば、プロデュースは石若駿で大納得。

柔らかく、優しいJAZZにスモーキーな藤原さくらの声が絡みつく。本人が「原点回帰をしながら新しい扉を開いた」と話すように、1stアルバム『good morning』と雰囲気は少し近いと思う。そこに大人の色気と落ち着きがある感じ。ここ2.3年のアルバムは多ジャンルのミュージシャンがプロデュースで一つのアルバムに参加してたこともあってか、ごちゃ混ぜJPOPのアルバムという印象がどうしてもあったけど、今作は一貫したJAZZアルバムで洗練されている。朝でも夜でもずっと聴いていられるスーパーなアルバム。

1位 MONO NO AWARE『ザ・ビュッフェ』

玉置周啓は、"静と動"、"過去と現在"、"在るとない"のような発生していること、起こったことを全て受け入れているように感じる。ある種の諦めのような気がするかもしれないが、そうではなく、その上で発生する葛藤の中のアレコレさえも受け入れる。みたいな感じ。

『野菜もどうぞ』の「野菜は美味しいから食う、本は面白いから読む、眠たいから今は寝る」や映画『パストライブス』からインスピレーションを受けた『イニョン』の歌詞などは、そんなスタンスが透けて見える最たる例だと思う。

それはLIVEでもそう。今回のツアーが初めてMONO NO AWAREを生で見る機会だった訳だが、玉置さんの奇怪な動き、声はいまの自分を何も濁さず、ストレートに表現しているだけだった。それが大学4年生という、これからを想像する機会が多くなっていた時期の私にとって痛快で憧れるものだった。

海外

本当は書こうと思ったけど、書く体力なくなってしまったからよかったやつを紹介だけする。

claire rousay『sentiment』

Quadeca『Scrapyard』

Tyla『TYLA』

Kali Uchis『QRQUIDEAS』

Kanye West、¥$、Ty Dolla $ign『VULTURES 1』

下半期ももう楽しいね。

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