城に閉じ込められていても
人と人とはまず理解しあえない。これはわたしにとっては真理みたいなもので、自分自身のことも完全に理解していない、死ぬまでに理解できるかもわからないのに、ましてやほかの人を理解するなんて。
言うなれば、人はみんな自分自身の城に閉じ込められているようなもの。城の部屋がいくつあるのか、地下室があるのかもわからない城。
それでも、私の城の窓はすべて開けて外をよく見ていたい、城門は下げたままにして誰でも何でも入ってきてもいいようにしておきたい。
理解することはできなくても、分かち合えることはできるから。