見出し画像

【就活】自分らしく働きたい=自分勝手になってしまう構図について

みなさんこんにちは!
ショーゴです。

僕は「北海道の越境複業家」として、本業複業とも企業人事・人事顧問やキャリア支援、コミュニティのPMや学校の先生など、いずれもHR・人事・教育系のお仕事をしております。

普段から専門学校生や大学生・就活生といった若い人たちとの関わりが多いのですが、面接やキャリアカウンセリングをしていてよく出てくるキーワードがあります。

自分らしく働きたい。

これはみんなから見た大人たちのイメージへの反発とも言えますが、大きな危険もはらんでいるなと感じています。
実際、その言葉を言われた時、僕は問います。

〇〇さんにとっての、自分らしく働くって、具体的には?

すると、こう答える人が多いです。

素のまま(ありのまま)の自分で働けること。

気持ちはわかります。
ただ、現実的にはかなり難しいんじゃないかなと思っています。

なぜなら「仕事」には「顧客」がいるから。

実際、素の自分らしさを仕事でどこまで出していいかは、「顧客からの期待値・顧客がどこに価値を見出すか」次第なんだろう、と僕は考えています。

例えば、赤髪・モヒカンの人がいたとして。
そのままの自分で働きたい、外見は関係なく、中身を見て欲しい。
だったとしたら、一番早いのは「ご自身で起業」することかもしれません。

ビジネスで、組織の中で、生きていくのだとしたら、
利益を上げ、存続し続けなくてはならない。
利益は顧客が価値を認めてくれた時に発生します。

個人としての向き合い方は、
●どんな顧客へ
●どんな手段で
●どんな関わり方をするのか
という3つの要素があり、それによって素の自分を仕事でどこまで出せるのかが決まると考えます。

先ほどの赤髪・モヒカンの人を例にしましょう。

A
●どんな顧客へ : 大手地方銀行のお客様
●どんな手段で : 接客
●どんな関わり方: 窓口業務として

B
●どんな顧客へ : ネットショッピングのお客様
●どんな手段で : プログラミング
●どんな関わり方: エンジニアとして

まずAの場合。
銀行の窓口行員に赤髪モヒカンの人がいたとして、銀行にいらっしゃるお客様は好感を持ってくださるでしょうか。
これは、成立しません。
銀行における「顧客に求められている価値」は、安心感・信頼感といったものだからです。
そこに「私が赤髪モヒカンだったとしても中身には関係ないです!」と言ったところで顧客が不快感を示し、顧客の期待値を満たせなければビジネスとしては成立しないのです。
だったら無理してまでその人を採用する必要はない、人事はそう考えます。

では、Bはどうでしょうか。
ネットショッピングを運営する企業でエンジニアとしてプログラミングの仕事をする。こうなると、お客様との直接の接点はほぼありません。
このケースでの「顧客に求められている価値(期待値)」はネット上の店舗における買い物の品揃えや楽しさ・使い勝手の良さなどです。
エンジニアとして顧客価値に貢献でき、かつ、顧客と直接の接点がないため見た目は関係ありません。(エンジニアの外見という顧客からの期待値はない)
よって、成立します。

同じ赤髪モヒカンの人でも、その素の状態が「自分らしさ」として許容されるのか、ただの「自分勝手」なのかは「顧客からの期待値・顧客がどこに価値を見出しているのか」次第で決まるということです。

最初の話に戻ります。
就活生の方々からよく聞く「自分らしく(素の自分で)働きたい」というのは、ありのままの私を受け入れてくれる企業に入りたい、という感覚にも聞こえるので「危険だな」と感じる時があります。

ビジネスかつ組織人として社会に出るのであれば、お客様へ価値を提供し対価を頂くことが至上命題となります。
そうしなくては自分のお給料は出ませんし、最終的には会社が潰れます。

多くの大人たちは「会社での(仕事上の)自分らしさ」を持っています。
自分が無理することなく、でもお客様には好感を持ってもらえる(不快感を与えない)ような自分。
それを確立することは社会に出る上で大切なことだと思います。
僕は新卒採用の面接において、学歴や研究内容よりもアルバイトや課外活動歴を重要視しているのですが、それはアルバイトや社会人と接する対外的な活動を学生時代にしてきた方はこの「自分らしさ」と「顧客が求める期待値」の関係性を身をもって理解している方が多い傾向があると感じるからです。

どうしても個性的なファッションや髪型のまま働きたいというのであれば、その外見が顧客価値に繋がる仕事(アパレル・ファッション・音楽など)をするか、顧客と直接接点を持たない仕事を選ぶのが良いかと思います。

顧客が価値を認めてくれて初めて対価が発生する。という原則。
外見や言葉遣い、動作など全ての表現が「顧客の期待値・顧客が求めている価値」に紐づくか。
それが採用の合否にも直結する。
顧客を見ていない自分らしさは、仕事上においては自分らしさと呼ばずただの「自分勝手」になってしまうということですね。

毎年、就職活動支援の中で聞かれることでもあり、アドバイスすることも多いトピックなのでまとめてみました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

ありがとうございます!サポート頂きました想いは今後のnoteやかたわらの活動で価値にしてお返しします🐻