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創作裏話「コナメリ」~この話の元ネタ~
本作に出て来たコナメリの生息地「響灘」は実在の海です。
とある薄暗い早朝、子どもを連れ、響灘の釣りスポットに出かけました。
子どもたちが釣りをしてみたいと常々口にしていたので、釣り好きの義弟が連れて行ってくれたのです。
薄暗い空に、真っ黒な海面…肌寒い潮風
そんな中釣り糸を垂らしていると…
「おお、あれ見てみい」
横にいた釣りおじさんが言いました。
そちらに目を向けると、なんと小柄なシュモクザメが泳いでいたのです。
生でシュモクザメを見て、私は身震いしました。
この海に子どもが落ちたら…と
そこでまたおじちゃんが
「ああ!あれが来たか、だめじゃあ。今日は釣れんだい」
と大声を出しました。
見やると…
黒い海面に、シュモクザメより大きな黒い影が2匹うねっていました。
無表情の顔に、艶のある黒目がぽつんとついています。
スナメリでした。
水族館で見るスナメリは可愛らしいものですが…
暗い早朝に目にしたスナメリたちは、すごみがあって恐ろしかったのです
子どもともども海に落ちてしまったら…
想像すると背筋が寒くなりました。
これが「コナメリ」の由来ですね
…あとですね
山口県民の友人から不穏な話を聞きましてね
イヤな気分になったものを見たと…
彼から話を聞き、参考にストーリーを練りました
まあ…現実にはドクタージェネシスみたいな事をする方がいないことを
祈るばかりですけどね。
そうしてこのお話が出来上がりました。
命をもらう有難さや、食文化の尊重などが描けたらと思った本作でした。