ポケ森のサ終、それに見る任天堂のモバイル戦略転換
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さて、今回はどうぶつの森ポケットキャンプです。
どんなサービスだったか
ポケ森は、2017年11月21日にリリースされたスマートフォン向けの無料プレイソーシャルシミュレーションゲームです。このゲームは、『どうぶつの森』シリーズのスピンオフとして開発され、プレイヤーはキャンプ場の管理人としてどうぶつたちと交流しながら、家具の製作や釣り、虫取りなどを楽しむことができました。課金要素として「リーフチケット」が導入され、家具の制作時間を短縮したり、特別なアイテムを購入したりすることができました。
特徴的な要素として、キャンプ場やキャンピングカーの装飾、フレンド機能による他のプレイヤーとの交流、定期的なイベントがありました。
どういう経緯で始まった事業だったのか
ポケ森は、任天堂がスマートフォン市場への本格参入を目的に開発したもので、2015年に任天堂がDeNAと提携したことが契機となりました。スマートフォンの普及と『どうぶつの森』シリーズの根強い人気を背景に、より広範なユーザーにシリーズの魅力を楽しんでもらうために企画されました。スマホ向けゲームとしてカジュアルなプレイスタイルを提供する一方で、シリーズ特有の自由度や交流要素を維持していました。
誰が作っていたサービスだったか
このゲームは、任天堂、DeNA、エヌディーキューブの共同開発によるもので、任天堂が『どうぶつの森』シリーズのデザインとコンセプトを提供し、DeNAがスマートフォン向けゲーム開発のノウハウを活かして制作されました。エヌディーキューブは、技術的な面でサポートし、ユーザー体験の最適化を図っていました。
なぜ上手くいかなかったのか
ポケ森の具体的なサービス終了理由は公表されていませんが、いくつかの要因が推測されます:
ユーザー数の減少
『あつまれ どうぶつの森』が2020年にリリースされ、多くのプレイヤーがスマホ版からこのメインシリーズに移行したと考えられます。これにより、ポケ森のアクティブユーザー数が減少した可能性があります。収益性の低下
任天堂の2024年4月〜6月期の決算報告では、モバイルゲーム事業の売上が前年同期比で16.8%減少しており、これはポケ森を含む複数のモバイルタイトルの収益性が低下したことを示しています。運営コストの増加
定期的なイベントやアップデートの運営コストが、収益に見合わなくなっていた可能性があります。競争の激化
スマホゲーム市場では競争が激化しており、同ジャンルの人気タイトルが増える中で、ポケ森が相対的に魅力を失ったことが考えられます。メインシリーズとの競合
『あつまれ どうぶつの森』の成功が、ポケ森にとって大きな競合となり、スマホ版の独自性が弱まった可能性があります。
サ終後の譲渡先はあるか
他社への譲渡予定はありませんが、2024年11月29日のサービス終了後、ポケ森のプレイデータを引き継いで遊べる買い切り型アプリが配信される予定です。このアプリではオンライン機能やフレンド機能はありませんが、プレイヤーはこれまでのデータを使用して引き続きゲームを楽しむことができます。任天堂は現時点で他のサービスへの譲渡や統合を発表しておらず、この買い切り型アプリがポケ森の終了後の代替手段となります。面白い施策ですね。
参考リンク
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