Instagram創業者たちの次なる挑戦:AIニュースアプリArtifact、1年での幕引き
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さて、今回はArtifactです。
Artifactとはどんなサービスだったか
Artifactは、AIを活用してパーソナライズされたニュースを提供するアプリでした。機械学習アルゴリズムを活用し、ユーザーの興味に基づいて記事をカスタマイズし、幅広い情報源からニュースを収集していました。特徴的な機能としては、TikTok風のスワイプ操作で記事を閲覧するインターフェース、ニュース記事の要約や関連情報のAI提供機能、そしてユーザー同士の議論を促進するコメント機能がありました。ユーザー体験に重きを置き、シンプルで直感的なインターフェースを提供していました。
Artifactはどういう経緯で始まったのか
Artifactは、Instagramの共同創業者であるケビン・シストロム氏とマイク・クリーガー氏によって、2023年1月31日に発表されました。Instagramを退社してから約4年半のブランクを経て、両者が取り組んだ新しいプロジェクトでした。彼らは、ソーシャルメディアの抱える問題点(フェイクニュース、エコーチェンバーなど)に対応しつつ、AI技術を活用して質の高いニュース体験を提供することを目指しました。このプロジェクトには、ニュースの多様性を確保し、信頼できる情報源へのアクセスを提供するという強いビジョンがありました。
誰がArtifactを作っていたのか
Artifactの創設者は、Instagramの共同創業者としても知られるケビン・シストロム氏とマイク・クリーガー氏です。シストロム氏はCEOとしてビジネスの全体像を統括し、クリーガー氏はCTOとして技術開発を主導しました。彼らが設立したNokto, Inc.がサービスの開発元で、2022年3月3日にカリフォルニア州で設立されています。Instagramで成功を収めた二人による新たな挑戦という点で、初期の注目度は非常に高かったです。
なぜArtifactは上手くいかなかったのか
Artifactがうまくいかなかった理由はいくつかあります。まず、ニュースアプリ市場の競争が激化していた点が挙げられます。Apple NewsやGoogle Newsといった巨大プラットフォームが既に大きなシェアを握っており、新規参入者にとっては厳しい市場環境でした。加えて、ユーザー獲得コストの高騰や、コンテンツのモデレーションに必要なリソースの負担も課題となりました。ケビン・シストロム氏は「コアユーザーに愛されるサービスを作り上げたが、継続的な投資を正当化するには市場規模が十分に大きくない」と説明し、成長の限界が見えてきたことが主な要因であったと述べています。
サ終後の譲渡先はあるか
Artifactのサービス終了後、譲渡先に関する情報は公式には発表されていません。2024年1月14日にサービスの終了が発表され、2月末までにすべての機能が停止しました。具体的な技術やサービスの譲渡が行われたかは不明ですが、競争の激しいニュースアプリ市場において、新たな形でArtifactの技術が引き継がれる可能性は低いと考えられます。
それにしてもリリースから1年で撤退というスピード感は、シリコンバレーならではという感じがしますね。
参考リンク
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