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金壺眼(きんつぼがん)
Audible を聴いていたら出てきた言葉。
あら捜しや揚げ足とりが目的ではないので作品名は伏せるが、もちろん正しくは「かなつぼまなこ」である。
単に朗読者がこの言葉をご存じなかったのだろう(オーディオブックの制作過程にプロの校正者が関与しているのかは気になるけど)。
おもしろいのは、知らない漢語を見た時に、人は音読みをしてしまいがちだ、という点だ。
なぜなら、個々の漢字の音読みを知っていれば、初めて見る熟語でも、高い確率で読めてしまうからだ。
良し悪しは別として、これは漢語の優れている点のひとつと言っていいだろう。
しかし日本語のつかみどころのない、一筋縄で行かないところに、私は魅力を感じる。
音読みよりも訓読みに萌えるタイプだからこそ、金壺眼という今ではレアな言葉のヨミを、特に覚えていたのだろう。
「キンツボガン」には情緒のかけらも感じないが、「かなつぼまなこ」にはうるおいと慕わしさを覚えるし、「金坪真奈子」とでも書けば、知的で清楚なつぶらな瞳の令嬢を思い浮かべてしまうのは、私だけではないだろう(お前だけだ)。