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余命宣告後の思い出づくりは誰のためなのか【日本語】思い出づくり

テレビのCMで、余命6ヶ月と診断されたら保険金が下りる、という生命保険を宣伝していた。

生前に家族との思い出づくりを、ということらしい。

調べてみると、リビング・ニーズ特約というのだそうだ。

家族が被保険者との思い出づくりをするために、ではなく、被保険者が家族との思い出づくりをするためにあるらしい。

思い出とは後でなつかしく思い出すことだ。にもかかわらず、この保険は後がないことが前提となっている。まさか走馬灯のクオリティをあげることが目的ではあるまい。

なぜ思い出づくりのためなのか。

なぜ「残された日々を家族と過ごすため」ではないのか(注1)。

我々はそれほどまでに、今を生きることよりも思い出づくりに励むようになってしまっているのだろうか。


注1. もしかして、死にゆく人の保険金を使ってその家族が思い出づくりをすることの居心地の悪さを、被保険者がその家族と思い出づくりをするため、ということに言い換えているのだろうか。考えすぎか?


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