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私たちの体毛のはなし

まったく、毛に翻弄される人生だぜ

と思った。

念願の永久脱毛を始めた。

ざっと50万ちょい。

そして毎月、まつげエクステに1万2千円。

フェザーラッシュやら、ストレートラッシュやら

体操の技名の如く難しい名前がメニューに並ぶ。
それらを調べて吟味して、予約して

わかりにくいプライベートサロンにたどり着き

施術してくれるお姉さんと、社会的で世間的な話を1時間強、曖昧に話を広げて

ようやっとまつ毛が増える。

鏡を見たら、あら可愛い。やっぱブスでも
まつげはあったほうがいいなーなんて。

1週間もしたら、バスタオル、枕、ありとあらゆるところに

あんなに苦労してひっつけたまつげさんが抜け落ちてる。

そんなこんなの間に体毛の処理だ。

クソみたいな脱毛サロンの予約システムで
大量の待ち時間を喰らわされて気づく。

毛に翻弄されてすぎない?

じゃあこれは誰のため?他でもない、自分のためなのに。

毛無くて肌ががツルツルだと嬉しい
まつげはフサフサだと嬉しい

じゃあこれはどこからきた価値観?

最悪私は男性にどう思われてもいい。

体毛すら許されない人とは関わっても多分いいことないし。

じゃあ女友達?たしかにツルツルな子をみると憧れる。

だけどたぶん、私が一番、わたしの体毛を汚いと思い、嫌ってる。

少ないまつげを嫌ってる。

ダヴィちゃんや、ペトラコリンズが

かっこよく腋毛をピンクにしてたりして

お洒落にジンとかにして。

それをもてはやすモデルさんたちはみんな
脱毛サロンの案件でツルツルだったりしちゃって。

わかる、とてもわかる。

ダヴィちゃんやペトラは思想強くて行動にしてたって可愛いしかっこいいけど

何者でもないわたしが腋毛をピンクにしたり
はやしっぱなしにしたら、たぶん醜い。

何が言いたいかというと
体毛に対する価値観のいちばんの敵は
自分だなってこと。

自分がいいと思えばツルツルでもぼーぼーでもいいのに。

だからツルツルを目指しちゃったりしてもいいはずなのに

大金を払って毛を焼き殺したり、目に毛を植えつけたりしてる様をみると

どうしようもないやるせなさが出てくるのはなんでなんだろう。

美しいとはなんなのか、それは私にとっては自分で自分を美しいと思えるまでがゴールだと思っていて

多分いくらお金と時間を使っても

たぶん、一生ゴールには辿り着けないと知ってるから虚しくなるんだろうか。

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