2030年の世界地図帳_#2

第2章 貧困と格差は解決できるのか?

ケビンカーター

地面にうずくまるあばら骨のでた少女と、その様子を背後から伺うハゲワシ
ケビン・カーターの「ハゲワシと少女」
1993年にスーダンで撮影され、翌年ピューリッツァー賞を受賞したが、わずか数ヶ月後自殺をした。
2011年スーダンはスーダン共和国から南スーダンが独立したが、現在も内戦が発生している。


・アフリカはいつから貧しくなったのか?

❶.西洋諸国に振り回された歴史
奴隷貿易や植民地支配など
❷.資源の呪い
天然資源があるからこそ、国内産業が荒廃していく
❸.近代的な制度が定着しにくい
18世紀から19世紀にかけて、封建制や絶対王政から脱して、近代国家を築いた地域では、早くから国民主権や議会政治を定着させるための試行錯誤が行われていたが、20世紀前半まで欧米の植民地だった国は民主化を経験しないまま、戦後社会へと放り出された。


・アフリカを変えるテクノロジー

ケニアで普及しているMペサ
ケニア全世帯の65%以上で使用され、1日の取引額は1億6000万ドルに及ぶ
・普及した理由:
❶.口座保有率が低く、金融機関を通じず遠隔地に送金するニーズがあった
❷.物々交換が盛んであり、個人間取引に抵抗が少なかった

Mペサ発展の経緯
途上国では、固定電話よりも先に携帯電話が普及する傾向が強い。ケニアでは、SIMカードを露店で購入し、チャージした通話時間分だけ通話や通信を行っていた。ここに、ユーザー間で通信時間残高をやりとりできるサービスが登場し、通信時間を現金の代用品として、個人間の売買などに使用し始めた。そして、通信会社が通信時間を換金できる仕組みを整え、現金と完全な互換性をもつMペサが誕生した


・先進国に広がる格差

相対的貧困:所得の中央値の半分以下
日本では、中央値が244万であるので、相対的貧困は122万以下となる
全人口に対する割合は、15%に及ぶ


・教育

・大学進学率と家庭の年収
年収400万以下では約30%であるのに対し、年収1000万以上では、約60%とおよそ2倍のもの差が存在する
→階層の固定化が進みやすくなる

メモ
・洗髪の文化:1970年代から毎日洗うようになった
・途上国への有償援助:返済義務がないと、モラルハザードが起きて結局無駄遣いとなるため、有償援助としている
*戦後、日本も世界銀行から有償援助で、名神や東名高速道路、東海道新幹線が作られた
昔:子供は自分の老後や家族のリスクを担保するための投資
成熟社会:社会保障制度が充実し、個人でも資産形成ができるようになり、老後への不安が少なくなってくる→投資ではなく、消費、ある種贅沢とも言える

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