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102.ツツジと360°展望の納古山

 岐阜県の登山者は、地元の山と言うと口を揃えて納古山のこやまと言います。七宗町ひちそうちょうと川辺町の境界にある標高633mの納古山のこやまは低山とはいえ、アカヤシオ、ヒカゲツツジ、ミツバツツジが咲くツツジの山です。そして何より、山頂からは、360°パノラマで、乗鞍岳、御岳山、中央アルプス、南アルプス、恵那山、伊吹山、白山などの山並みが見渡せます。山頂付近の地質はチャート、植生はモチツツジ-アカマツ群集とスギ・ヒノキ植林です。
 2019年4月18日、岐阜県内の他所を回った後、午後、中級コースを登り、初級コースを降りる定番の登山路をたどりました。前年に、冠山山頂で30分ほどカメラ談義・山談義をした岐阜の男性から、ミツバツツジを見るには納古山と勧められたので、登ろうと決めていました。

納古山のこやまの登山案内図

 登山口には、杖が置かれています。中級コースを登り始めてすぐに、降りてきた女性2名組に「ミツバツツジなどのツツジやアカヤシオはどうですか。」と尋ねると、「・・・。みんなアカヤシオを求めてこの山に登るのですが、ぼちぼちです。」と残念な返事が返ってきました。

登山口

 スギやヒノキの人工林を抜けて塩の道3合目になると、ようやくトウゴクミツバツツジが迎えてくれます。

花柱の付け根に腺毛せんもうがあるトウゴクミツバツツジ

 斜度50〜60度ありそうな岩場を登り始めると、花付きはよくないとはいえ、ホンミツバツツジが続きます。

雄しべが5本のホンミツバツツジ
中級コースに咲くホンミツバツツジ

 5合目を超えるとヒカゲツツジがたくさん咲いています。

ヒカゲツツジ

 山頂付近で、ようやくアカヤシオが1本咲いてるのを見かけました。山頂は、開けていて、素晴らしい眺望です。

納古山のこやま山頂

 パノラマの一部、乗鞍岳が良く見えます。

乗鞍岳

 360°紹介する立派な山名板、数多くの椅子やテーブルが並びます。岐阜の女性Yさんと、カメラ談義・山談義をします。ホームグラウンドなので、元旦に登る人が多く、自身も良く登っているとのことです。Facebook友達となり、Yさんが、本格的な登山家で、雪山も含めて年間1/3ほどは、全国の山を回っておられることがわかりました。

山名版

 ホームグラウンドとのことで、山頂近くの枝道の穴場を案内してもらいました。すると、多くのアカヤシオが満開。先に降りた彼女たちは、この枝道に来なかったのですね。

満開のアカヤシオ

 アカヤシオの花も、透明感がありますね。

アカヤシオのアップ

 アカヤシオとヒカゲツツジの取り合わせを、始めて見た場所です。

ヒカゲツツジとアカヤシオ

 Yさんと別れて、帰りは初級コースです。ショウジョウバカマが咲いています。

ショウジョウバカマ

 ほとんどホンミツバツツジでしたが、1本トウゴクミツバツツジも見つけました。

ホンミツバツツジ

 降りてきた林道では、コバノミツバツツジも1本発見しました。かなり色が薄くて、白っぽかったです。

かなり薄い色のコバノミツバツツジ

 納古山のこやまではトウゴクミツバツツジ、ホンミツバツツジ、コバノミツバツツジの3種が混在することがわかりました。そして、アカヤシオ、ヒカゲツツジを含めて、一斉に咲く山でした。
 その後年、熊本・宮崎県境の市房山で出会った岐阜の男性と、下山後の温泉の湯船の中で「元旦登山で納古山のこやまに登りました。多くの人が日の出を待ちます。ただ、帰路に氷で足を滑らして骨折しました。」という話まで聞きました。岐阜県の登山愛好者が一押しして登るのが納古山のこやまです。


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