45.ミツバツツジの紅葉
ミツバツツジ類も条件が良ければ、しっかりと紅葉します。コバノミツバツツジの学名の種を表すラテン語のreticuratum(網目)にふさわしく、葉の細かな凹みが網目状にくっきりと見えて、表面の光沢が目立ちます。
2024年10月20日現在、自宅のコバノミツバツツジは、太陽光を多く受ける株の上の葉からクロロフィルが分解されて、紅葉します。蒴果が実ってきました。雌しべの子房の部分が蒴果となり、その上にひものようなモノが出ているのは雌しべの花柱の部分が残っています。新芽を覆う鱗状の覆いのことを鱗片といいます。葉がついている枝の先にある冬芽の鱗片は、茶色であまり目立ちません。
花と同様に、コバノミツバツツジの葉も透過性が高く、晴れた日の逆光に輝いて見えます。
この時期よくあることですが、モチツツジの花が、何輪か狂い咲きしていました。
2024年10月13日に蓼科高原の標高1570mで見つけたトウゴクミツバツツジの紅葉です。ここまで鮮やかな紅葉は初めてなので、見とれました。
一気に冷え込むからクロロフィルが急激に分解されて減り、アントシアニンの鮮やかな赤になるのでしょうか。また、トウゴクミツバツツジの冬芽の鱗片は、赤いです。鱗片がコバノミツバツツジよりも大きいですが、これは標高150mの自宅はまだまだ暖かく、冬芽の準備が遅いからだと思います。蓼科では自宅より1週間先に撮影しましたが、気温は10度近く寒かったです。
2024年10月12日に蓼科高原の標高1370mにあったホンミツバツツジは、全体が紅葉していました。玄関前の植栽ですし、ホンミツバツツジにしては高すぎる場所にあるので、植栽した株でしょう。
色づきが不十分な株の下側の葉を見ると、前年の1つの冬芽から今年の春に3花が開き、その3つの蒴果が実っています。トウゴクミツバツツジ同様に、鱗片が赤いです。ホンミツバツツジの春に向けた新芽は、内包する花の蕾の数が多い分、コバノミツバツツジやトウゴクミツバツツジよりも太いようです。
開花時にしか見ないトウゴクミツバツツジやホンミツバツツジと、いつも目にしているコバノミツバツツジとの違いが、紅葉や冬芽に表れていることを知り、面白いです。