![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162771576/rectangle_large_type_2_9d0fa9afdb7abc1fee41ad3e99dc999f.png?width=1200)
72.苦節50年で造った1haの岩つつじ山
鹿児島県さつま町鶴田にある1haの岩つつじ山は、ハヤトミツバツツジが6000株群生しています。これらはすべて上埜富雄さんが1974(昭和49年)から、種から育てた苗木を、1本ずつ植えていったものです。ハヤトミツバツツジは、コバノミツバツツジのように群生していません。上埜さんが取り組む前に、山で数少ないハヤトミツバツツジを発見して、こんなに美しい花があるものかと感激して、実ったころにその種を採取して育て始めました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732397697-Yj5gnXRc4KUZiQFovHaE67zq.jpg?width=1200)
自身の山にコバノミツバツツジを群生させてきたツツジ守には10名以上会いましたが、いずれも上を覆う雑木を伐れば、植えなくてもコバノミツバツツジが自生します。それに比べて、ハヤトミツバツツジを種から育てて植えるという苦労は、並大抵ではないです。最初の3年ほどは、発芽させることから苦労したとのことです。植えてから根付くまでの1・2年は、水を切らすと枯れます。また、1984年と1990年には、周りの6名の山や田を購入した土地です。ご子息も意思を継いで岩つつじ山の手入れに取り組まれているとのことです。コバノミツバツツジでは、主を失くして整備が滞った例をいくつも見てきたので、継承は素晴らしいと思います。また、ボランティアも何名かおられて、2021年3月22日に訪れたときには、そのボランティアの一人から話を伺いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233229-GOD7bT9tLQceB8w1ylpJVAIC.jpg?width=1200)
18年ほど前には、見学者を迎えるために、小屋を造られました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233173-L4oQ90XmGzbf362AWwMOgilH.jpg?width=1200)
小屋には囲炉裏が設けられて、ハヤトミツバツツジの写真や、いろんな記念物が飾られています。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233270-HnZqlCYE1Q0KIBWXfupmrSk6.jpg?width=1200)
休憩所もあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233251-wNmZHsirWYXcn5buo1Mz2D8B.jpg?width=1200)
井戸が設けられています。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233262-6WSPFic4wda8pkG3YeUbJnjV.jpg?width=1200)
駐車場もあります。杖も準備されています。盗掘があったことは、困ったものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233335-xspKAfB9EeZ4uITiwmv0dcSk.jpg?width=1200)
岩つつじ山全体の空景です。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233293-xI2h53YikDwW4La6jJc1dsuH.jpg?width=1200)
2021年3月22日は、満開は過ぎていましたが、数名の見学者がおられて、皆さんハヤトミツバツツジを愛でられていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233323-7ukKfnANBZGw6F1mhxia2zJT.jpg?width=1200)
ハヤトミツバツツジは、ホンミツバツツジの亜種で、3月初旬の早い時期から咲きます。小石川植物園や神戸市立森林植物園では、他のツツジが蕾の中で、ハヤトミツバツツジだけがにぎやかに咲いています。
1つの蕾から3輪咲きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233384-RSVU6Nt3qP48XuOClnsgrfyQ.jpg?width=1200)
葉は光沢があって、てかてかしている点が、他のミツバツツジと違います。落葉ですが、照葉樹の葉みたいですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1732233392-epWzbTcG6VNnKrLXIMC7fxdH.jpg?width=1200)
仮眠も含めて18時間ほど高速道路を運転して訪れた日のこと、個人でここまでやるのかという、驚愕のツツジ守の園に出会えました。