109.三草山のツツジ尾根の眺望
兵庫県加東市の標高424mの三草山は、尾根路沿いの木々が低くて見晴らしが良く、コバノミツバツツジを見ながら歩ける、源平合戦の古戦場の山です。
地質は大規模火砕流でできたデイサイト・流紋岩で、植生は典型的なアカマツ-モチツツジ群集です。1975年の航空写真を見れば、各所に白い岩肌が散在しています。やせ地に多い、アカマツとコバノミツバツツジの山です。
2022年4月7日、40台ほど収容できる山口登山口駐車場に、車をとめます。トイレ、案内板が、整備されています。
三草コースを登ります。駐車場横の昭和池が良く見おろせます。1924年の大干ばつがきっかけとなり、1932年にアースフィルダムが築造されて、昭和池ができました。堤高31.2m、堤長205.4m、貯水量150万トン、満水面積14.8haの溜池で、387haの水田を潤しました。
尾根路の登山路を進みます。デイサイト・流紋岩の滑りやすい急な登山路には、しっかりとした手すりが取り付けられています。
眺望がよい場所には、ベンチが置かれています。コバノミツバツツジの花は、季節的に少し早いので、まだまだこれからです。
進むと、コバノミツバツツジの矮化した未熟な花を見かけました。花弁、雄しべ、雌しべとも、小さい花です。ときどき、こういった花を見かけることがあります。
山頂は結構広い広場で、360度の眺望が得られます。神社があり、方位盤、城台標、スタンプボックスなどが並んでいます。
立派な360度方位盤です。春霞で遠望はできませんでしたが、視程が良ければ、南は六甲山から瀬戸内海、淡路島まで、北西は雪彦山まで見渡せます。
京都の北野天満宮から勧請した三草山神社が祀られています。
三草山城台標です。1184(寿永3)年に、源義経の1万騎が、三草山の西の山口に陣取った平家7千騎の軍勢に夜襲をかけて破った三草山の合戦地です。標高400m以上の場所に、残されている石垣、土塁、郭は、その後の中世の赤松氏の山城という説がありますが、よくわかっていません。
スタンプボックスには、スタンプとともに、登山者ノートが入っていました。
帰路は鹿野コースの尾根路を降ります。こちらも、昭和池などの眺望が開けた尾根です。
鹿野コースの途中で、見逃さないように小径の分岐を見つけて、急坂を昭和池に降りていきます。林の中には、コバノミツバツツジが降る場所がありました。
昭和池の南岸を通り、駐車場に戻ってきました。
よく整備された尾根路の3時間ほどのコースです。20名ほどの登山者と出会いました。あと1週間ほど遅ければ、満開のコバノミツバツツジが連なっていたと思います。お手軽なトレッキングコースとしておススメです。