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39.ブナとツツジの天然林 白岩山

 宮崎県は、最も多くのミツバツツジ類の種が自生する県です。著者もまだまだツツジの目利きになっていないので、訪れても、どのミツバツツジの種なのかわからない場合があり、宮崎県では苦戦しています。北部の大分県との境の祖母傾山系や、西部の熊本県との境の九州脊梁山地は、嶮しく近寄りがたい山が多いです。そんな豊かな自然の中で、コバノミツバツツジの亜種、ツクシコバノミツバツツジ凛々しい姿を見たのが、九州脊梁山地の白岩山しらいわやまです。

 2022年5月4日、日本最南端にある五ヶ瀬スキー場の標高1308mにある広い駐車場に車を停めて、眺望を楽しむためにゲレンデを西に登ります。東から北まで、阿蘇山、九重連山、祖母傾山系が見渡せます。標高1685mの向坂山むこうざかやまを経て、ブナの大木が並ぶ縦走路を南に向かい、杉越の三叉路にあたりから、ツクシコバノミツバツツジが現れます。

中央:阿蘇山 中央右奥:くじゅう連山 右:祖母傾山系

 歩きやすい山路を南に進むと、両側にツクシコバノミツバツツジが見事に群生しています。

周りに下草がなく天然林の歩きやすい山路

 標高1620m白岩山しらいわやままでの山路では、ブナの新緑とツツジの紅紫が、空から降ってきます。

ブナの新緑とツツジの紅紫が空を覆う山路

 白岩山しらいわやま山頂からは、東、南、西の3方の眺望も抜群です。

白岩山しらいわやま山頂

 シャクナゲを見るには、さらに南の標高1647mの水呑の頭みずのみのかしらのピークを越えて、そのすぐ先です。この日は1か所のみで急いでいませんでしたが、長旅の疲れを取り、ゆっくりと撮影するために引き返しました。

山の斜面の懸崖のツツジ

 1つの蕾に2花が咲くのが、ツクシコバノミツバツツジの特徴です。

1つの蕾に2花

 帰りは杉越まで戻り、山路を林道と出会うコボウ畑に出て、戻りました。この途中にも、見事な懸崖のツクシコバノミツバツツジがありました。

山路を覆う懸崖のツツジ

 5月下旬以降、ドウダンツツジ、キレンゲショウマ、ヤクシマホツツジなどが咲きます。自然生態系が豊かな天然林で、林木遺伝資源や他の動植物の遺伝資源を保存する林野庁の制度の、九州中央山地森林生物遺伝資源保存林に指定されています。車でのアクセスに時間はかかりますが、山路が整備されており、天然林の森林浴にくつろげる山です。ゴールデンウィークにおススメの山です。


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