コラム6 森の樹の美
蓼科高原の、秋の美しい木々を紹介します。ヘッダー写真は蓼科山と、その麓に広がるカラマツの林です。
落 葉 松
北原白秋
一
からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。
二
からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。
・・・・・・
カラマツ林を見ると、この詩を思い出します。大学時代、信州に旅行したときに、四季のカラマツを写した8枚組に詩の1節ずつが記されている絵葉書を買いました。節の順の一、二・・は、絵葉書に記されていなかったので、見ていたら順序がわからなくなりました。大学に戻ってきたときに、第10話で紹介したYちゃんに、絵葉書を見せると、さっと順番に並べてくれましたた。彼女の文才に感激して、カラマツが私の原風景に刷り込まれたと思います。
カラマツの道を見上げると、抜けるような青空にまっすぐにそびえています。ほとんどのカラマツは、植林ですね。
夕日が当たり、少し赤味がかったシラカバです。
シラカバに色を添える、コハウチワカエデです。
こちらは、まだまだ散っていない、コハウチワカエデの紅葉です。
コハウチワカエデを見上げると、陽の光を浴びて、輝いています。
赤く色づいた、コハウチワカエデです。
陽を浴びれば、トウゴクミツバツツジも負けていません。
王滝にかかる、トウゴクミツバツツジです。日光が差し込む時間や、春の満開時に訪れてみたいです。
アブラツツジも綺麗ですね。
カラマツは植林、シラカバは並木や別荘の庭木として一部は植えたかもしれませんが多くは自生、それ以外は自生の木々です。他の木々にも、白秋のような詩を詠んでみたいものです。