コーヒー 駅前のカフェの一番左の席 君はいつもそこで物思いに耽り、猫のプリントされた手帳と睨めっこして砂糖とミルクの入ったコーヒーを飲んでいる。 その隣で僕は無料の水を口に含みながら君の手帳の中身を覗いて見ている。 内容に興味があるわけではない。ただ君の丸い文字とたまに出る細い吐息と共に香る口紅の香りをただ記憶に留めたくて興味のあるふりして覗いているのだ。 たまに感想を聞いてくる君に無難な感想を返すと、そう言う意見もあるよねなんて言って少し悲しそうな顔をして文章を修正する。
虫かご ※虫が虫を捕食するシーンがあります。お気をつけください。 私本当は蝶が好きなのよ。 でも蝶の鱗粉って触ったらどんどん脆くなって飛べなくなるのって知っている? 虫が好きなの、触れないけれどとても好き。 訂正、ダンゴムシなら触れるわ、丸まってコロコロしてしばらくするとおっかなびっくり顔を出す所もとても大好き。 夏の間は虫取りに出かける。 地域差もあるだろうけれども、田舎の小学校低学年の遊びなんてそんなものじゃない? 毎日毎日網を持って、遅い足で一生懸命走って友達と草