【 ⑤ 小技編 】心地いいDeep Houseを制作するための5つ以上のコツ ▶︎ Model:Cycles
Elektron Model:Cycles(以下、m:c表記)を使って
Deep Houseよりの
心地いいトラックを
制作するためのコツ
をシェアします。
m:cでの操作をなんとなく理解している初心者の方向けです。
題材となる曲は以下です。
今回は展開に使える小技をご紹介します。応用編までの内容と同じくすぐに実践できますので、試してみてください。
あくまで筆者の主観ですので、ご了承ください。音楽制作の参考にしていただければうれしいです。
この楽曲を制作した際の
プロジェクトファイルは
「①導入編」からDL可能です。
Model:Cycles(以下、m:c表記)をお持ちの方は、プロジェクトファイルをインポートし、実際に音を鳴らしながら読み進めていただくと理解しやすいと思います。
▼前回までの記事はこちら
【 メロディーをオクターブ上げる 】
m:cのようなシーケンサーを使って曲を作る場合、例えば印象的なメロディーを繰り返して曲を展開させてくことが多いと思います。
その時、リスナーを飽きさせない工夫として、
などがあります。
そこに加えて、曲に対してもっとダイナミックに変化をつけたい場合、
メロディー全体をオクターブあげる
手法が有効です。
動画の02:00〜からT5のシーケンスが鳴り始めます。その後、T6のリードとなるメロディーも加わります。
核となるメロディーを奏でるのはT5の方になり、同時に
曲のグルーヴも担うとても重要なトラック
です。そのため、エンディングにも登場します。
アレンジを考える時にT5のフレーズは曲の大部分で鳴るため、04:45〜のエンディング(アウトロ)でも鳴らしたいけど、
そのままだと変化がなくてつまらない
と思いました。
そこで、05:08〜聴こえるようにT5のフレーズ全体を1オクターブ上げることにしました。
【 オクターブ上げるときのポイント 】
単純にフレーズをオクターブ上げるだけでも大きな変化があるのでいいのですが、さらにいい感じになるポイントをご紹介します。
フレーズ全体をオクターブ上げるということは、音が鳴る音域が上がるということです。つまり、
音域が上がった後、元の音域が空く
ということです。
空いた音域に別のフレーズを入れて、音域を上げたフレーズを支える
とバランスがよくなります。また支えるためのフレーズは音域を上げたフレーズよりも地味にすることもポイントです。
▲上記はエンディングのセクション
エンディングのセクションで具体的に説明します。
最初にT5をミュートするのは、
ピッチが変化する過程で
音が鳴ってしまうことを避けるため
です。
(*トラックをミュートしてパラメータを変える手法は色々な場面で応用できます)
元々T5が鳴っていた音域で、
グルーヴ維持と
T5のフレーズを支える
という役割でT3のフレーズを鳴らしています。
メロディーがあまり動かない、
音数の少ない地味なフレーズであることがポイント
です。
こうすることで、オクターブ上げたT5のフレーズが鳴り始めた時、曲全体の音の厚みが失われず、かつT5のメロディーを主役として印象付けることができます。
Deep Houseに限らず、
曲のアレンジはバランスの良し悪し
が大切です。
筆者は音楽のアレンジは建築のようなものと考えています。音域がぶつからないように各パートを組み合わせた上で、音をしっかりと積み上げていけばバランスの良い音楽に仕上げることができます。
余計な音はできるだけ削ぎ落とし、パート同士のメリハリをつければ、曲の個性が自然と出るように思います。
以上、小技編でした。
お読みいただき、ありがとうございました。