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【 ③ 応用編 】心地いいDeep Houseを制作するための5つ以上のコツ ▶︎ Model:Cycles

Elektron Model:Cycles(以下、m:c表記)を使って

Deep Houseよりの
心地いいトラックを
制作するためのコツ

をシェアします。

m:cでの操作をなんとなく理解している初心者の方向けです。

今回も

音楽制作に応用可能なコツ

を紹介していきます。あくまで筆者の主観ですので、ご了承ください。音楽制作の参考にしていただければうれしいです。

題材となる曲は以下です。

この楽曲を制作した際のプロジェクトファイルは以下からDL可能です。

Model:Cycles(以下、m:c表記)をお持ちの方は、プロジェクトファイルをインポートし、実際に音を鳴らしながら読み進めていただくと理解しやすいと思います。

▼前回はキックとベースについて書きました。

今回は下記について書いていきます。

項目:
・Detuneでハーモニーに厚み
・曲中に1回しか鳴らない音
・ウラ拍にGATEボタン
・トラックの追加は出しおしみ
・トラックの重み

【 Detuneでハーモニーに厚み 】

コーラスをかけると擬似的に音やハーモニーに広がりや厚みを出すことができます。しかし、m:cにはコーラスのエフェクトが実装されていません。

そこで、別の方法で厚みを出します。

パターン4(パターン、以下P表記)のトラック構成は以下です。

T1 → キック、ベース
T2 → ハイハット
T3 → スネア
T4 → パッド(コード)
T5 → シーケンス(以下、seq表記)
T6 → リード(メロディー)

下記の画像のようにT4のピッチは-0.1、T5とT6のピッチは0.1にしています。

T4のピッチは-0.1
T5とT6のピッチは0.1

ほんの少しだけ
ピッチ(音程)をずらすことで、
音が重なって鳴った時、
ハーモニーに厚みが生まれます。

またDetuneすることで浮遊感を出すことができます。

注意する点はピッチを

0.2以上に設定しない

こと。この場合、不安定さが生じていい響きにはなりません。

効果音など意図してピッチを大きくずらすのはありですが、±0.1がオススメです。

もちろん音に厚みを出さずにタイトにしたい場合は0に合わすのがいいと思います。

浮遊感のある風景

【 曲中に1回しか鳴らない音 】

リスナーを飽きさせずに、
また、曲のテンションを
維持するための方法

のひとつとしてSE(効果音)を鳴らすのは有効です。

動画01:08でSEが「ウィーーンッ」と鳴っています。この音は曲中で1回だけ登場します。鳴る場所は下記の曲構成の中でイントロ2になります。

P1:イントロ1

P2:イントロ2

P4:メイン1

P9:インターバル(間奏)

P5:メイン2(メイン1を盛り上げたもの)

P6:メイン3(メイン2を盛り上げたもの)

P10:エンディング(アウトロ)

イントロ1の後、メロディーが加わるイントロ2が始まり4小節経過してからSEが鳴ります。メインセクションに行く前にイントロ1、2があることで曲のテンションが落ち、間延びすることを防ぐために、SEを入れました。

また

イントロ2の頭で鳴らすと
その後、イントロ2の
テンションがもたない

ため、鳴らす位置を少し後にしています。

そしてSEの音を曲中で一度だけ使うことで、そのセクション(イントロ2)を

印象づけることができます。

派手な音は多用すると曲の世界観が散漫になり、リスナーが飽きてしまう可能性も高いため、

ここぞという時や
盛り上げたくないけど、
テンションを維持したい時に使う

といいかもしれません。

派手な音は多用しないことは、アレンジでは大切な考え方だと思います。

ちなみにSEの音はT1の頭に打ち込んでいて、PAGEボタン(FILL)を押している間だけ鳴ります。

ただしLFOの値によってその時々で鳴る音色は異なります。(LFOの値を大きくすればいい感じに鳴るかもしれません)

T1のLFOの初期値 これを変化させるとSEの鳴り方が変わります

【 ウラ拍にGATEボタン 】

動画02:08のT5のseqの音、03:34のT1のベースの音は一時的に

GATEボタンを押して音を引き伸ばし

ています。

GATEボタン。下にCLICKの記載

GATEボタンの機能についてm:cのマニュアルから引用します。

GATE ONサウンドエンベロープは、トリガー(ノートオン)後、パッドが解放されるまで(ノートオフ)、またはLENパラメータで指定された長さに達するまで、最大レベルに保持されます。その後、減衰フェーズに進みます。

Elektron Model:Cycles公式マニュアル

簡単にいうとDECAYのパラメータを大きくするようなイメージです。

前回の記事のスネアの所でも書きましたが、とくに

リズムにおける裏拍の音符の長さは
グルーヴをコントロールする

ことにおいて重要です。(ここではDECAYのパラメータ)

例えば、8ビートのオーソドックスなドラムパターンでハイハットが

「チッチッチッパー チッチッチッパー」

と刻むときのハイハット・オープンの「パー」の音がそれにあたります。

▼08:27あたりからのリズム

音符の長さが短いハイハット・クローズの「チッ」が一定のリズムで流れ、音符の長さが長いハイハット・オープンの「パー」が裏拍で鳴ることで、心地いいグルーヴが生まれます。

題材となる動画ではGATEボタンを押すことで、

裏拍の音符の長さを引き延ばし、
一定のリズムに変化とうねりを作り、
グルーヴを強調

しています。

DECAYで値を変えてもいいのですが、瞬時に大きく音符の長さを伸ばしたい時は、この方法が有効です。

また、グルーヴを強調するために

GATEボタンを
多用することは
避けた方がいい

と思います。

基本となるグルーヴを作り込んだ上で、時々、曲中でピンポイントでアクセントをつけるために使用すると、アレンジのバランスが良くなると思います。


以上、「音楽制作に応用可能なコツ」でした。

・トラックの追加は出しおしみ
・トラックの重み

については次回に書く予定です。

お読みいただき、ありがとうございました。

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