90年代Old Technoを山の上で演奏動画撮影 ▶ Model:Cycles
*2023年9月に古いブログに書いた記事を加筆修正し転記します。
*本楽曲で制作したプロジェクトファイルは無料でDL可能です。URLは記事内に記載致します。
屋外でElektron Model:Cycle(以下、mc表記)を使い演奏動画を撮影しました。
【撮影した理由】
mcのようなgroove boxを使って曲を作りたかったのと、こういう機材を使い野外セッションしている動画をSNSで見てとても興味をもったのがきっかけです。
DAWをメインにした
曲制作とは違う感覚で
音楽を作りたかった
のと、最近制作したLoFi Chill Hopの曲でも使用した同メーカーのDigitaktからの流れでmcに興味をもち、実際に使ってみるととてもわくわくしたので、演奏動画を撮影しようと思いました。
【撮影場所】
高原の山の上で撮影
しました。
当日持参した機材はmcの他、レコーダーとしてzoom R8、Eco flowのポータブル電源、三脚、カメラ、ヘッドフォン、軽食、水筒など。荷物はかなりの重量でした。
天候は晴れてラッキーでしたが、日照りが強く途中から汗だくで体力的にはしんどかったです。
山の上に着いたら見晴らしが良く、風が心地よかったので、時間とともに回復して撮影を始めました。
ちなみにModel:Cyclesの持ち運びは100均で買ったクリアケースに入れています。緩衝材的なものはないですが付属品がすべて収納できてコスパが良くて便利です。
【 楽曲紹介 】
ジャンルはAmbient Old Techno。
キックが1小節に4つ鳴るいわゆる4つ打ちリズムで構成された90年代に流行した王道テクノです。
フワーとしたパッドの音色や
ススキが風に揺れる音、
虫の鳴き声など
現地で集音した環境音
も入れたのでアンビエントの要素もあります。
・・・
Title : EnSō [Prototype]
漢字では円窓(えんそう)と表記
茶室等の窓や出入り口に用いられた窓
丸窓は禅の悟りを意味する円相に由来するらしいです。
外の世界に左右されるのではなく、自分の内面、内なる声を聴いて、本来の自分の意識とつながることが、今の自分にとても必要だったので、その想いをこめてタイトルにしました。
[Prototype]=試作品、デモ
音作りにもう少し時間をかければ構成等を作り込めたのですが、熱量、タイミング、ライブ感を優先したかったのでデモ音源的な位置づけにしました。
今後、アレンジを作り込んで完全ver.として改めてリリースする予定?です。
【 プロジェクトファイル 】
ファイルの名前はENSO.mcprjですが、mcにインポートするとHOSEIになります。どうかご了承ください。
■演奏動画で使用した(筆者が制作した)MCのプロジェクトファイル
(↑音色のプリセットを含みます)
■演奏動画で使用した(筆者がEditした)MCの音色プリセット
https://www.dropbox.com/scl/fo/qaix6jlpuwv1wixd1tegm/ADDDnn3YcAoaZA_NSy850pI?rlkey=j9mfr11wlr1okq0q0c1vh6yfm&st=olsj4bma&dl=0
***上記Linkから無料でDLしていただけます
***ファイルの二次配布、商用利用はいかなる場合も許可していません
***ファイルのインポートに伴ういかなる損害に関しても筆者は責任を負いません
【 EnSō [Prototype]の制作について 】
各楽器パート(以下、トラック=Tと表記)
打ち込みはmcにMIDIキーボードを接続して行いました。
T6だけ8分音符を基準にして他のパートは16分音符を基準にして4小節の長さで打ち込みました。
T1はパラメータロックを使って打ち込んだ
ベースも同時に鳴る
パターンが中盤以降に登場
します。
【 パターン解説 】
各パターンは以下の通りです。
ツマミの変化でいい感じになるポイント
(パターン2以外です)
もちろん上記以外にもいい感じの音になるポイントはたくさんあります。
mcは演奏者ごとの個性がはっきりと出やすい機材ですので、遊びながら自由に表現すると楽しいと思います。
【おわりに】
学生時代に友人から作曲を教えてもらい、あまりよく分からないまま無我夢中に独学で音楽制作にのめり込んでいた90年代。
機械的なビートがとてもかっこよく感じテクノミュージックにはまっていました。
KEN ISHII、クラフトワーク、YMO、Robert Milesが好きでかなり影響されました。
KEN ISHII「Jelly Tones」より「EXTRA」
Robert Miles「Children (Dream Version)」
特に
KEN ISHIIの独特の音色、
リズム、グルーヴ、世界観には
雷に打たれたくらい衝撃を感じ、
雑誌のインタビューを何度も読んだり、同じような音楽を作りたいと思っていました。
Ken Ishii 15th Anniversary – BDPL / Hosei Tatemizu
(↑↑↑大学卒業後、サウンド&レコーディングマガジンのKEN ISHIIのトラックを使用したRemixの企画に応募し入選→音源がリリースされたときはほんとにうれしかったです)
テクノミュージックから
友人の影響で坂本龍一にはまり、
そこからエレクトロニカ、
フォークトロニカへと
辿り着いて今に至る
わけですが、その頃はアレンジにおける
テクノの安易な4つ打ちに
嫌悪感を感じて
そのような音作りを避けるようになりました。
理由はクラブミュージックとして
オーディエンスを
煽ることに特化しているから
で、アレンジがその方向に傾かざるをえないということを理解していたからです。
それから時がたち、mcを手にしたことで、再びコテコテの4つ打ちテクノを作る日が来るとは思っていませんでしたので驚いています。
音楽観が一周しているような気もします。
当時と比べて今の機材はコンパクトかつ高性能なため、できることや表現の幅が格段に上がっていることもあり、mcで好きなように曲を作っている時は、ワクワクして、久しぶりに夢中で音楽作ってるなあと感じました。
PCに比べるとできることは制限されますので、悩むことも多いですが、逆に
制限された範囲で
アイデアを実現しようとする楽しさ
があります。
できないことを工夫して限界突破した時の楽しさは学生時代に夢中になった音楽制作の醍醐味であり、音楽におけるクリエイティブのひとつだと思います。
mcは自分にとって音楽作りの楽しさに改めて気づかされた機材です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
もし記事内でご不明点がありましたら、お気軽にコメントしていただければ幸いです。