笹谷遼平(映画監督)の「六字通信」

映画作りのこと、妻と娘2人と日々のこと。 日本の山々に実在した放浪民をモチーフにした劇映画「山歌(サンカ)」 ↓ https://youtu.be/F2D0zsEbFtQ 北日本の馬文化をとらえた記録映画「馬ありて」 ↓ https://youtu.be/r6LsgseLihk

笹谷遼平(映画監督)の「六字通信」

映画作りのこと、妻と娘2人と日々のこと。 日本の山々に実在した放浪民をモチーフにした劇映画「山歌(サンカ)」 ↓ https://youtu.be/F2D0zsEbFtQ 北日本の馬文化をとらえた記録映画「馬ありて」 ↓ https://youtu.be/r6LsgseLihk

最近の記事

映画をつくり、自然に仕えるー映画「山歌」のステイトメント(笹谷遼平)

「歌(うた)う」の語源は、「訴う(うったう)」だという説がある。何かを伝えるという意味にも変えられる。言葉や文字だけでは伝えられないこと、それが歌なのかもしれない。 映画も、歴史は浅くとも視覚的な歌だと思う。サンカ(※)の娘・ハナが本編のなかで口ずさんだ歌は「春駒」という。繭の豊作を祝うめでたい歌であり、かつて、サンカや旅芸人は村々の養蚕農家の玄関口に立ちこうした祝い歌を歌った。村人が歌うのではなく、村外の来訪者が歌うからこそ喜ばれ、価値があった。 私がサンカと出会ったの

    • 映画「山歌」へのコメント、続々到着

      この映画と縁がある方々からコメントを頂きました。ご一読くださいませ。 この映画の舞台と同じ1965年、僕は倉本聰と山の放浪民・サンカの映画を作ろうとしていた。サンカの生きるエネルギーを再現したかったのだ。監督デビュー作のつもりでシナリオを書いたが、撮影寸前でボツになった。僕はサンカへの執念を燃やし続け、20年後にサンカの映画を作ることができた。そして2022年、昭和末期生まれの青年が、まさに這いつくばりながらサンカに迫った。強烈な疑問と誠実さで作られたこの映画に、若い頃の僕

      • 映画「山歌(サンカ)」サウンドトラック

        映画「山歌(サンカ)」サウンドトラックを公開(4/22)と同時に配信いたします。Apple Music、iTunes、Spotify、Amazonなどを含む主要配信ストアには全て入ります。「山歌」「茂野雅道」などで検索をしてみてください。 映画の世界がよみがえります。 今ならYou Tube でも試聴可能です。お聞き逃しなく! https://youtu.be/MvgMm_OnrRY

        • 映画「山歌(サンカ)」お知らせ

          長編劇映画「山歌(サンカ)」の最新のお知らせです。 【2024年1月21日(日)『山歌(サンカ)』チャリティー上映会のお知らせ】 能登半島地震にて被災された皆様、また近しい人が被災されている皆様、心よりお見舞い申し上げます。元旦からの一連のニュースに心痛むばかりです。 1月21日に予定しておりました東京門前仲町chaabeeにての映画『山歌(サンカ)』の上映会に関して、様々に悩みましたが、chaabeeさんのご理解とご協力のもと、1人当たりの参加費2500円×参加者数を

          日本にもノマドがいた。「サンカ」について

          今更ではあるが近年、コロナ禍の影響もありテレワークが増えている。ある職業、ある層に限られたことかもしれないが、自由な場所で仕事をしてもいいという風潮もある。もっというと、このパンデミックのなか働く場所だけでなく、働きかたへの疑問を持った人も少なくないのではないか。だからこそ働く場所を選ばない(一箇所に縛られない)ノマドワーカーという言葉をよく聞くようになった。地方へ移住する人も増えており、都心のビルで働くよりも自然に囲まれたところで働いたほうが心豊かだと、あらゆる人が気づいた

          日本にもノマドがいた。「サンカ」について

          ばんえい競馬能力テストの蹴り問題について 3 「イライラして蹴った」発言の誤報道

          前回、前々回と書いているばんえい競馬の「蹴り」問題に関し、大変重要なことが新たに明らかになったので、ここに記します。多少、ややこしい話です。どうか最後までお付き合い頂ければ幸いです。なお、蹴った行為については前々回に記したので、ここでは割愛します。 今回の「蹴った」瞬間の映像が世に拡散され、多くの人がそれを目にし不快感を示し、大きな問題となりました。その火に油を注いだのが当騎手の「馬が言うことを聞かなくてイライラして蹴った」というコメントでした。この言葉が広く流布され、私も

          ばんえい競馬能力テストの蹴り問題について 3 「イライラして蹴った」発言の誤報道

          ばんえい競馬、能力テストの蹴り問題について 2  馬と人間の関わり

          前回はばんえい競馬能力テスト中の蹴り問題について書きました。「蹴る」という行為のみにフォーカスされることへの違和感、大きい馬と人間が対峙することの危険性等を記しました。4、5人くらいの方に読んでもらえたら嬉しいな、くらいの気持ちで書きましたが多くの方にご覧頂いた様で、ありがたい限りです。 そしてコメント、反応の中で、美化しすぎではないか?という言葉を頂きました。 自分としては美化して書いた気持ちはありません。しかし、その言葉から大きなことに気が付きました。それは、ばんえい

          ばんえい競馬、能力テストの蹴り問題について 2  馬と人間の関わり

          ばんえい競馬、能力テストの蹴り問題について 1

          はじめまして。笹谷遼平と申します。映画を作っています。2019年末、北日本における馬文化のドキュメンタリー映画「馬ありて」を公開しました(現在Amazon、アジアンドキュメンタリーズ、U-NEXTほか様々な媒体で有料配信中)。本作品では2013年から北海道帯広市のばんえい競馬、穂別町のポニーレース、岩手県遠野市の馬搬(伐採された木を馬で運ぶ仕事)などを取材しました。 今、ばんえい競馬の能力テストのレース中に、騎手が馬の顔を蹴ったことが虐待ではないかと、大きく話題になっていま

          ばんえい競馬、能力テストの蹴り問題について 1