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白馬国際クラシック50kmの振り返り
本日は趣味の記事で失礼します。9月8日に開催された白馬国際クラシックに出走してきたので、その振り返りを書いていきます。
レースまでの過ごし方
今回の白馬国際クラシックに申し込んだ理由は大きく3つ
北アルプスの絶景を堪能できて、かつ八方温泉という良質な温泉街という立地
50kmで2000mD +という自身にとって最適な距離と累積
友人が申し込んでいたのを聞いて、一緒に出走したいと思ったから
ということで、家族に無理を言ってお願いして出走させて頂きました。白馬国際クラシック。
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家族にお願いして時間を頂いたからには、全てをそこにぶつけられるように調整等もしっかりしていこうと決めて練習や食事など考えながら過ごしてきました。(1週間前にあった職場の納涼会でも断酒!)
会場までは新宿からの高速バスを利用。新幹線長野経由だとお金かかるし、特急あずさ松本経由だと在来線の本数が少ないので。しかしこの選択は誤りだったと思い知らされます。
そう。中央道の渋滞です。通常なら5時間半で到着する予定が7時間半かかってしまいました。ケツに褥瘡、膝の屈筋は短縮してしまいます。
順調に着いたらゴンドラを使って八方池でも観に行こうかと思っていたのですが、そんな時間もなくなってしまいました。
※ちなみに帰りも渋滞に巻き込まれて、終電ギリギリになってしまいました(次回出るなら新幹線かな〜)
レースの前泊は白馬スキー館さんにお世話になりました。気さくな女将さん、大変お世話になりました。白馬駅の近くの定食屋さんで夕食を済ませ、NORTH FACEやPatagoniaのショップをプラプラしてから軽くjogして宿に戻り、21時に就寝です。
レースSTART〜白馬岩岳〜A2(おかるの穴)
当日は4時40分に起床
スタートはウェーブSTART。
第1waveは6時間半以内目標
第2waveは8時間半以内目標
第3waveは8時間半以上
私の目標は7時間切りだったのですが、渋滞を避けたい気持ちがあり生意気にも第1waveでSTARTしました。
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スタートから最初の3kmはフラットから緩やかな傾斜で走れるコース。おそらく先頭から40〜50番目くらいを走っていたように記憶しています。
岩岳のトレイルに入っても走れる斜度の登り。私も周りのペースに合わせて走り続けますが、すでに心拍数は180over。呼吸を整えるように走りながら周りに意識を向けると、私以外に呼吸が乱れている人は誰もいません。
「あぁ、ここにいる人たちとはレベルが違う」と薄々感じながらも、なんとか引っ張ってもらいながら心拍が落ち着くことを期待します。
そしていよいよ急登エリア。さすがに走れる人はおらず、ちょっとした渋滞が起きている、、
と思ったら、蜂が大量に発生⚠️刺されている人も数名いる様子。私はなんとか運良く蜂を回避して進むことができましたが、刺されていた方々は大丈夫だったのか心配です。(白系のコーディネートにしておいて良かった)
というか今ふと思ったのですが、ポイズンリムーバーって腕だとか首だとか刺された場所によっては一人じゃうまく行えなさそうですよね。刺された方にお手伝いが必要か声掛けするべきでした・・次からそうします。
話を戻しますが、この岩岳エリアは単純な登り基調というわけではなく、細かなアップダウンが結構あります。そしてこれがまさに自分の対策不足というか、実力不足の事態を招きます。
そう。スタートして1時間足らずで脚を攣り始めます。
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攣り始めたのは右の足趾の屈筋。登りで遠心性収縮していた直後に降りで短縮位になり、その繰り返しで攣ったのだと思われます。
なんとか攣りながらもA1岩岳チャバディ(6.5km)に到着。想定では45分で着きたかったのですが、すでに50分。水分は足りていたので持参の塩分ラムネだけ食べて、スキー場をさらに登ります。
エイドで一旦心拍数が150まで落ち着くも、登りですぐさま180に。さすがにこのままじゃもたないと思い、ペースを抑え始めます(脚も攣ってるし)
岩岳頂上までは引き続き細かいアップダウンがありますが、その間は後続の人に前を譲りながらゆっくりペースで。降りも脚を残すために歩幅を小さく加速しすぎないように降ります。岩岳からの降りは気持ちよく走れる所も多いですが、所々ロープが張ってあったりとテクニカルで急な場所もあり非常に面白いコースでした。(1度すべって尻もちつきました)
山を降りた所から少しロードを進んでA2おかるの穴(13.5km地点)に到着。麦茶が飲みたかったけどなかったのでコーラを飲み、あとは自身のジェルも補給。小便も早めに済まして2分で出発します。ここまで1時間40分。設定では1時間30分くらいで到着したいと考えていたので、遅れているもののまぁなんとか食らいついてこれています。
A2〜槙寄林道〜A3〜ハイランド〜A4
A2を出るとすぐさま小さな登り。槙寄林道エリアです。ここは勾配も大したことなく走れるコースなのですが、この時かなり脚にきていました。
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攣りそうですが、走れる所で歩くわけにいきません。なんとか周囲のペースに合わせて引っ張ってもらいます。林道を抜けると豊かな田園地帯の光景。米不足のニュースが日々流れていますが、そんな不安も吹っ飛ぶような新米が実っています。
このエリアは陽射しを遮るものがなく、とにかく暑い。雨予報を良い意味で裏切ってくれて陽射しが降り注いでいます(しかし北アルプスの絶景は雲に隠れて見えない)
脚攣り対策に定期的にマグオンを摂取しながら進む。走れるコースですが、暑さに胃もやられ始め調子がどんどん落ちてくるのが分かります。走ってもキロ6分後半〜7分台のペース。段々と気持ち悪くなってきて歩く時間も増えていきます。
結局A3大出(23.5km)に到着したのはSTARTから3時間。A2からの割と走れる10kmの区間に1時間20分ほどかけてしまいました。それでも想定内というか、予定より10分遅れです。(見立てが誤っていたのでしょうけど)
A3では椅子に座って脚をストレッチしながらも胃腸の調子に不安を感じていました。ストレッチをするために座ったのではなく、座るためにストレッチをしていたのです。とにかく休みたかった。
でも振り返ってみればこの時はまだなんとか元気だったのでしょう。お蕎麦をいただき5分くらいの滞在でスタート。このエイドの時間でおそらく5人くらいに抜かれています。
そしてここからが白馬50kmの最難関と言われるハイランドエリア。累積標高自体はそこまででもないのですが、次のエイドまで12.5kmあり、そしてやはり細かなアップダウンが多い。めちゃくちゃ苦戦したエリアです。
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ハイランドエリアは3つの山の2つ目。そして距離で考えると25kmくらいの場所なので『まだ半分』という心理的なストレスも襲いかかってくるのです。
ハイランドエリアの前半はスキー場の直登コース。まだ走れる人は走ってます。ストック使ってガシガシ登ってる人もいます。私は脚がふらつきながら、パワーウォーク。エネルギー不足を感じながらも、補給したくても胃腸が受け付けない状態。
吐き気を感じながら、なんとか日陰の林道エリアへ。気持ち良いトレイルなのですが、フワフワした感覚でなんとか走っている状態。そして今度は降りに差し掛かりますが、すると脚攣りが。登ったあとの降りではハムストリングスを。降りた後の登り返しでは大腿四頭筋を攣ります。大腿の大きい筋肉を両面とも攣るのは辛い・・・
「ここで無理すれば終わる。無理しなければきっと後から回復してくる」そう信じて、呼吸を整えながら無理矢理マグオンを摂取し、降りでもキロ6分くらいのゆっくりペースで小股でステップを刻みます。
しかし降りは胃も揺れて気持ち悪さがさらに増します。
山を降りた後のフラットなコースも、キロ6分台後半〜7分ペースで進みます。このフラットなコースも意外と距離があり、後続の人たちに続々と抜かれます。「走れるところで走れないとこうなるよね」と勉強になりました。
A4グリーンスポーツ公園(36km)に到着した時にはスタートから5時間25分が経過。この12.5kmの区間に2時間15分もかかり、ここで想定よりも1時間弱の遅れを取ってしまいます。
この時は胃腸の調子も非常に悪く、脚も攣り放題。精神的にもキツくて、このエイドでリタイヤを考えるほどでした。
エイド滞在時間は10分ほど。地面に腰を下ろして、行きたくない気持ちに従いながら出発するランナーを眺めていました。私の他にも座り込んでる人が2人ほど。エイドで休んでいる間に多分10人くらいに抜かれます。
しかし家族から時間をもらって参加した大会。娘の作ってくれたミサンガを握りしめて重い腰を上げ、次に向かう決心を固めます。次は最後の山に入る手前にあるA5こくいち(43km)。ここから7kmあります。
A4〜ジャンプ台〜A5〜八方スキー場〜ゴール
A4を出ると、すぐに河川敷の砂利道に入ります。周りの人は皆走っていますが、私は絶不調。トボトボと歩きます。
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「このままじゃ次のエイドまで何時間かかるんだ?」
「そもそも本当に完走できるのか?」
そんな不安がよぎりながらも、補給を行い回復を待つ。河川敷を歩いている間に5人くらいに抜かれます。
すると徐々に調子が戻る感覚。気持ち悪さも治まり、脚の攣りも落ち着く。
少しずつ走り始めると、胃が揺れる感覚もなく、脚も攣らずに進めています。
「この感じで、このペースでいこう」
そう決めて、キロ6分〜7分台のペースで走り続けることにした。
走っていくうちに調子が戻る。先程抜かされた数人を抜き返す。ジャンプ台も見えてきて、ようやく「もうここまで来た」という安堵感を覚えます。体調的にも最後の一山はいけそう。
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ジャンプ競技場を抜けると、少しずつ登り始めます。登りは無理せず歩くと決め、とにかくもう不調モードに戻らないように心拍数ベースでマネジメントすることを優先します。
A5こくいち(43km)に到着した時は、スタートから6時間35分が経過。この7kmに60分かかりましたが、よく立て直したと思います。
想定では5時間半ほどで到着している計画なので約1時間遅れ。もう7時間切りは不可能だとは分かっていますが、目標を8時間切りに切り替えます。
調子が良くなっていたので、このエイドは1分ほどの滞在ですぐスタート。調子が良い感覚をキープして最後の登りに取り掛かります。
登りは当然走れませんが、頭の中で歩数を数えながらリズミカルに進みます。
最後の登りは400mアップ。いつも近所の公園でやっている階段練習は90段で9mアップなので、とりあえず4000歩ほど数えれば頂上だろうと安易に計算し、それに向けて無心で登ります。
この作戦が奏功したのか、この登りで28kmの人たちと50kmの人たちを何人も追い抜きます。
心拍数も160以下で抑えながら、脚攣りにも最大の注意を払いながら、リズミカルに無心で。
スタートから7時間18分。A5を出て43分で登りきってA6パノラマ(46km)に到着。実際は4000歩も数えずに登り切れました。
あとは降りるだけだけど、攣ったり捻ったりしたら終わり。集中力を切らさずに進む。この最後の降りはスキー場なので中々の斜度を直進で降ります。つま先が痛い。爪が死んでく声が靴の中で響き渡る。
ブレーキをかけずに重力を上手く使って降りた方がスピードも出るし爪にも優しいと思う。しかし攣るのがとにかく怖いので、過剰なストレスを筋肉にかけないことを優先。
スキー場から降りると八方温泉の街に入り、応援の人がたくさん出迎えてくれて、声援があちこちから聞こえてきます。この大会の最も素晴らしいところがまさにこの応援だと思います。
沿道からエネルギーをもらい、最後はキロ4分台も記録してそのままゴール。
記録は7時間41分30秒
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目標の7時間切りからは程遠い結果で悔しい気持ちが大きかったのですが、怪我なく無事に完走できたことは本当に良かったと思います。
レース統括
今回のレースは反省点が沢山見えてきたので、少し振り返って分析を。
まず第一に、目標の7時間に届かなかった1番の原因は『本来走れるところが走れなかったから』に尽きます。そりゃそうですよね。ロードでキロ6分くらいで走れるところをトボトボ歩いてしまえば倍以上の時間がかかります。上位だったり6時間半切りを目指すなら登りも走れるようになる必要はあるでしょうけど、7時間切りは恐らく走れる場所をしっかり走ればいけるはず。あとはエイドで休みすぎました。
ではなぜ走れなくなったのか?それは最初の岩岳の時点でオーバーペースだったから。心拍数180超えで、1人で呼吸を乱してしまったこと。それによる交感神経過活動→胃酸過多→胃腸トラブルというのもあったかもしれない。それと脚攣りの原因にも。胃腸トラブルはその後の補給戦略にも影響するので、さらなる脚攣りや熱中症リスクにも影響して悪循環を引き起こします。至急改めなければなりませんね。
そしてそもそもの心拍数や脚攣りの原因は単純に実力不足であり、練習不足。今後も山へ行く頻度は中々増やせないと思うけど、起伏走を増やすなどの工夫は河川敷の土手などを使えばうまく出来るはず。筋の収縮形態を考慮した練習を増やそうと思います。
自身で良かった点としては、絶不調に陥った時に焦らずに対処できたこと。また必ず復活するタイミングがくるということを経験上分かっていたからこそ、諦めずに粘れたと思います。
以上より、今後の改善点として
練習では起伏走などを増やすこと
ミドル以上のレースでは序盤から心拍数ベースでマネジメント
胃薬をうまく使う
胃が不調でも取れる補給食を見つけ出す
この辺りを課題として、今後のレースに向けて頑張ろうと思います。
次はトレイルではありませんが、1月の宮古島ワイドーマラソン(100km)に出走しようと考えております。
来年は70km〜100kmのトレイルにも挑戦していきたいし、ミドルレースでも上位10%を狙えるくらいになりたいなと目標を立てていこいうと思います。