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「めんどくさい」と言う感情の"メカニズム" #1
ふと、「めんどくさい」と言う感情について気になったので色々調べたのですが、どうゆう時とかどうすれば良いみたいなHow toはたくさん出てきたものの、どのような構成要素からなっていてなどの"本当の姿"・"本質"がよくわからず、今回調べてnoteに書き記していこうと思います!
※自分で色々調べた解釈で書いています。もし、書いている中で間違った解釈があったり、他に参考情報などがあればコメントで教えてもらえるととても嬉しいです!
今回の目的
「めんどくさい」と言う感情の"本当の姿(本質)"を知る。
本質を知るためのゴール設定
ステップ1:「めんどくさい」感情の定義の明確化
ステップ2:「めんどくさい」はどこから生み出されるのか
ステップ3:「めんどくさい」が生み出されるメカニズムを解明する
ステップ4:「めんどくさい」と言う感情の本当の姿
ステップ5:「めんどくさい」感情の本質とは
今回はここのステップ1〜3を書いていきます!
ステップ1:「めんどくさい」感情の定義の明確化
言葉としての「めんどくさい」は、形容詞
「面倒くさい」は、ある「動作」に対する形容、つまり「何かをするのがわずらわしい,やりたくない」などといった意味を表す
心としての「めんどくさい」は、感情状態のこと
「めんどくさい」という感情は、単なる怠惰ではなく、特定の状況やタスクに対する"認知的な評価(複雑な心理プロセス)"から生じる感情状態のこと
海外の表現から紐解く、めんどくさいの定義
「めんどくさい」という感情は、日本語特有の表現で、英語では "bothersome"、"troublesome"、または "a hassle" などと訳されることがあります。
この感情は、ある行動や状況に対する消極的な態度や回避傾向を表す心理状態と考えられます。
まとめ:「めんどくさい」の定義
ここまでを踏まえ、定義としては心の方の理論を踏まえ
「ある行動や状況に対する消極的な態度や回避傾向を表す心理状態の名称」
と言う、とある記事にあった記載が、一番納得がいく定義であった。
定義を超えて本質に迫るキー:プロセス
「タスク(状況・事象)に対して、認知した上で評価したり心で色々考えた結果、心が最終的に"めんどくさい"と言う心理状態になる」この過程には、このめんどくさいの前に、間・プロセスがあり、ここが、定義を超えて本質を理解するキーになりそう。
ステップ2:「めんどくさい」はどこから生み出されるのか
認知して事象に対し「評価したり心で色々考える処理」がめんどくさいの生みの親
「めんどくさい」の感情の構造を脳活動から考えてみようと思う。
なぜ脳から見るかというと、
ステップ1で確認した通り、事象に対し、認知して評価したり脳で色々考えるプロセスがめんどくさいを生み出す根源・根本原因でありそうだ。
重要なのは"脳の司令塔"である前頭前皮質
行動を起こす時に、GO/NO GOの判断を下すのが"前頭前皮質"です。
詳細は以下記事などを読んでいただければと思いますが、一言で言うと前頭前野が"脳の司令塔"として働き、他の脳回路に行動するよう指示するのです。
つまり、このタイミングの"司令塔の判断基準"が、めんどくさいと言う感情状態を生み出すプロセスと言えます。
外側前頭前野のさまざまな回路、例えば「背外側前頭前皮質」は、脳の「司令塔」のような役割をしている。脳のいろいろな部分の回路に「今、この問題に取り組め」という指令を出す。難しい問題のほうが、司令塔に求められる役割が大きい。脳の持っているリソースを総動員しなければならないからだ。
脳神経外科医の築山節氏によれば、「快を求めて不快を避けようとする脳の感情系の欲求を制することができなくなりつつある状態」なのだそう。
大きく分けると、脳には大脳新皮質が中枢の「思考系」と、大脳辺縁系が中枢の「感情系」という、2つの機能系が存在しています。そして築山氏によれば、感情系は思考系に比べて “強い脳” なのだそう。そのため、感情系は思考系に絶えず影響を与えています。
とはいえ、感情の赴くままにやりたい放題やっていては、社会的生活を送れませんよね。だからこそ私たち人間は子どもの頃から、しつけなどを通して思考系を鍛え、思考系が感情系に対して優位な状態を作り上げてきました。
しかし、このバランス関係の維持には工夫が必要。とりわけ現代は、外部から不快を与えられやすいと同時に簡単に快を得られるため、思考系優位の状態が崩れやすいと、築山氏は指摘します。
実はもう一つの行動選択の司令塔"大脳基底核"
実は、行動選択のプロセスにおいて、前述の前頭前皮質を用いて論理的に考える方法(=モデルベース)とは別に、実は過去の経験などに基づき考える方法(=モデルフリー)という2つのメカニズムがあり、それぞれが連携しながら重要な役割を果たします。
前頭前皮質:モデルベースのアプローチ
計画や予測に基づく意思決定を行うプロセスです。前頭前皮質はこのプロセスにおいて重要な役割を担い、過去の経験を活用して将来の結果を予測し、意思決定を行います。例えば、「この作業は大変そうだから、今やらない方がいいかもしれない」という判断がモデルベースの考え方に基づいています。
【モデルベースのポイント】
・環境のモデルを構築し、将来の結果を予測して行動を選択
・柔軟性が高く、新しい状況に適応しやすい
・計算コストが高く、時間がかかる
大脳基底核:モデルフリーのアプローチ
習慣や経験に基づく反応であり、特定の状況で何度も繰り返される行動を強化します。例えば、「めんどくさいから後でやろう」という反応は、過去の経験に基づいてすぐに選択されることが多いです。このプロセスには大脳基底核が関与し、習慣化された反応を形成するのに寄与します。
【モデルフリーのポイント】
・過去の経験から直接的に行動価値を学習
・計算が速く、即座に行動を選択できる
・柔軟性に欠け、環境の変化に適応しにくい
行動選択メカニズムにおける2つの司令塔の関係性
これら2つのネットワークは、状況に応じて協調的に機能したり、競合的に働いたりします。
前頭前野ネットワークは、より複雑な状況や長期的な目標を考慮した意思決定に関与し、大脳基底核ネットワークは即時的な報酬や習慣的な行動選択に関与すると考えられます。
この二つは、取り組みの段階や状況に応じた使い分けがされます。
しかし、その反面、二つは並列に処理をしながら、状況に応じて適切な処理を選択しています。
例えば、
新しい物事に挑戦する際には、モデルベースのプロセスが主導し、計画と情報に基づいた慎重に意思決定が行われます。
しかし、それと並行して、各情報に対しての直感や過去の経験(モデルフリー)が迅速な判断を補完し、挑戦の実行をサポートします。
その後、挑戦を続ける中で、徐々にモデルフリーのプロセスが優位に働くようになっていきます。
結論:「めんどくさい」は前頭前野or大脳基底核から生み出されるっぽい
ここまでの調査の結果、「めんどくさい」は前頭前野と大脳基底核が行なっている行動選択の評価時に、生じているみたい!
では、それぞれの部位では、何があれば「めんどくさい」が生み出されるのかを引き続き調査していく。
ステップ3:「めんどくさい」が生み出されるメカニズムを解明する
「めんどくさい」が生み出されるメカニズムの結論
「めんどくさい」という感情は、モデルベースとモデルフリーの意思決定プロセスが相互に影響し合う結果として生じます。
この感情の生成には、予測と評価、不安、疲労、報酬の不一致が関与しており、これらの要因が組み合わさることで「めんどくさい」という感情が生まれます。
前頭前野が「認知的負荷と脳の反応」から生み出すめんどくさい
前頭前野は、「予測と評価」「不安と抵抗」を軸に行動選択の評価をします。
新しい挑戦を前にして、過剰な負担感を「めんどくさい」という感情として表現することがあります。
予測と評価
役割
新しいタスクや行動を前にしたとき、個人はそのタスクがどれほどの時間や労力を必要とするかを予測します。
モデルベースのプロセスでは、行動の詳細な分析と予測を行い、タスクの複雑性や必要な労力から負担が大きいと感じた場合に「めんどくさい」という感情を誘発します。
関連性
モデルベースプロセスは、状況の詳細な分析を行い、可能な結果をシミュレーションするため、計画的に行動する際の負担感を評価します。
新しい挑戦の計画段階で、予測される困難さやコストを評価し、「めんどくさい」という感情を引き起こすことがあります。
後述の不確実性に対する不安や恐れもこの感情を増幅させます。
不安と抵抗
役割
モデルベースプロセスは、未知のリスクや不確実性を評価するため、不安や抵抗感が「めんどくさい」という感情を生む要因となります。
新しいことに対する恐れや不安を、詳細なシミュレーションを通じて増幅させます。
関連性
新しい挑戦を分析する過程で、不確実性に対するリスク評価を行い、過剰に負担を感じさせることがあります。
この感情は、過去の失敗経験や自己効力感の不足に基づいて増幅されます。
大脳基底核が「報酬系と感情のバランス」から生み出すめんどくさい
大脳基底核(厳密には中脳辺縁系)では、期待される報酬や満足感に関連し、迅速な報酬が得られない場合には「めんどくさい」と感じます。これは、行動の結果としての報酬が期待値を下回るときに顕著になります。
疲労(反習慣・反自動)
役割
タスクに取り組んでいる最中に生じる集中力の低下や疲労感も「めんどくさい」という感情を生み出します。
モデルフリーのプロセスは、習慣的な行動を効率的に処理しますが、新しい行動がこれに反する場合、持続的な集中が求められるため、負担が増します。
そして、その負担があるにも関わらず、脳は迅速な報酬を得られず、「めんどくさい」という感情を引き起こすことがあります。
関連性
日常の習慣やルーチンに慣れているため、新しい行動を取り入れることに抵抗を感じる際、「めんどくさい」と感じる要因となります。
自動的に処理されない新しいタスクは、意識的な努力を必要とし、負担感を強くします。
報酬の不一致(期待値とのギャップ)
役割
モデルフリープロセスは、迅速な報酬と快適さに基づく行動選択を促進しますが、行動に対する期待される報酬が得られない場合に「めんどくさい」と感じやすくなります。
即時の満足感が得られないタスクに対するモチベーションが低下し、「めんどくさい」という感情を引き起こします。
関連性
習慣的に報酬が得られる行動と比較して、報酬が見えにくい新しい挑戦に対しては、モチベーションの低下が「めんどくさい」という感情に繋がります。
他にもある、脳内ネットワークの複雑な相互作用
「めんどくさい」という感情の形成には、前述の要素以外にも脳内の複数のネットワークが関与しています。特に、前頭前野、大脳基底核以外だと、扁桃体や帯状回といった情動に関与する領域が重要な役割を果たします。これらの領域は、感情や認知、報酬処理に関与する神経伝達物質(例えばドーパミン、セロトニン)を介して相互に作用します。
扁桃体とストレス反応
扁桃体は感情の処理、特に恐れや不安に関連する反応を司る脳領域です。
扁桃体が引き起こす不安や恐れは、前頭前野の評価や判断に影響を与えることがあります。
前頭前野は、扁桃体の過剰な反応を抑え、状況を冷静に分析することで、適切な行動選択を促しますが、ここの不安と合理性のバランスによって「めんどくさい」という感情を助長する可能性があります。
扁桃体の反応はストレス反応の一部として現れることが多く、特に過去の経験に基づいてリスクが過大評価される場合に顕著です。
帯状回と行動の継続性
帯状回は、注意やモチベーションに関与し、行動継続有無の選択プロセスにおいて重要な役割を果たします。タスクに対するモチベーションが低下した際、帯状回はその状況を評価し、「めんどくさい」と感じる度合いを調整します。これは、期待される報酬が得られない場合に、特に強く影響を受けることがあります。
前頭前野・大脳基底核・扁桃体の関係性
前頭前野、大脳基底核、扁桃体は、それぞれの役割を通じて感情と行動選択を統合し、全体としての意思決定を調整します。これらの関係を理解することで、感情的および理性的なバランスを保ちつつ、効果的な行動選択を促進する方法を見出すことができます。
感情と合理性のバランス
扁桃体は不安や恐れなどの直感的な感情反応を引き起こし、前頭前野はそれらの感情を抑制し、理性的な意思決定を促します。大脳基底核は、これらの感情が行動にどのように影響するかを考慮し、習慣や自動化された行動の調整を行います。
報酬と動機付けの調整
大脳基底核が報酬系の処理を行う中で、前頭前野はその報酬を基にした長期的な計画や行動選択を評価します。扁桃体が感情的なフィードバックを提供し、これが報酬への期待を変化させることがあります。
ストレス反応の管理
ストレスが生じた場合、扁桃体は迅速な反応を引き起こしますが、前頭前野はそのストレスに対する合理的な対処法を考え、大脳基底核はストレス状況での適切な行動を調整します。
【復習】
<前頭前野の役割>
◯計画と予測
前頭前野は、目標設定や計画立案、タスクの予測と評価を行います。
◯認知的制御
衝動の抑制、論理的思考、長期的な視野を持った意思決定を司ります。
◯感情調整
不安やストレスの調整を行い、冷静な判断を下すための制御をします。
<大脳基底核の役割>
◯行動と運動の調節
自発的な行動の開始や調整に関与し、習慣的な行動を支えます。
◯報酬処理
報酬の予測とその評価に基づき、動機付けを促進します。
◯学習と習慣形成
繰り返しの行動を通じて学習を助け、自動化された反応を形成します。
<扁桃体の役割>
◯感情処理
特に恐れや不安といった基本的な感情の迅速な処理を担当します。
◯危険認識
潜在的なリスクや脅威を早期に検出し、警戒反応を引き起こします。
◯感情的記憶の強化
感情的に重要な出来事の記憶を強化し、将来のリスクへの備えを行います。
「めんどくさい」が生み出されるメカニズムのまとめ
「めんどくさい」という感情は、脳内の複雑な神経ネットワークの相互作用によって生じます。
具体的には、前頭前野が行動の予測と評価を行い、大脳基底核が報酬の期待値と実際の報酬を比較します。さらに、その裏では扁桃体が不安やストレスに対する感情反応を司り彼らに連携し、帯状回がモチベーションの調整に関与します。
これらの領域は神経伝達物質を通じて相互に情報を伝達し、モデルベースおよびモデルフリーのプロセスを統合して、行動選択に影響を与えます。このメカニズムを理解することで、「めんどくさい」と感じる感情をコントロールし、日常生活や職場でのモチベーションを向上させるための科学的根拠に基づいた戦略を開発することが可能となります。
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