見出し画像

17-2.NISAの全貌:旧NISA、新NISA、子どものNISA(ジュニアNISA)

NISA(少額投資非課税制度)は、投資利益にかかる税金を非課税にする制度です。2024年から新しい制度(新NISA)がスタートするため、旧NISAと新NISAの違いを理解し、最適な活用法を選ぶことが重要です。また、未成年向けのジュニアNISAも2023年で新規口座開設が終了しましたが、特例措置が残されています。本記事では、旧NISA、新NISA、ジュニアNISAについて詳しく解説します。

1. 旧NISA(~2023年までのNISA)

(1) 概要

  • 非課税枠:年間120万円。

  • 非課税期間:5年間。

  • 対象商品:国内外の株式、投資信託、ETF、REIT。

  • 特徴:幅広い金融商品が対象で、短期~中期投資に対応。

(2) メリット

  1. 利益が非課税

    • 配当金や売却益にかかる税金(20.315%)が非課税。

  2. 商品選択の自由度が高い

    • 成長株、配当株、インデックスファンド、ETFなど多様な投資先を選べる。

(3) デメリット

  1. 非課税期間終了後の対応

    • 5年経過後、課税口座に移すか、翌年のNISA枠で再投資する必要がある。

  2. 非課税枠の再利用不可

    • 一度使った非課税枠は売却しても再利用できない。

2. 新NISA(2024年からスタート)

(1) 概要

  • 非課税枠:年間360万円(成長投資枠:240万円+つみたて投資枠:120万円)。

  • 非課税期間:無期限(制度全体の非課税枠は1,800万円、うち成長投資枠1,200万円)。

  • 対象商品

    • 成長投資枠:国内外の株式、ETF、REITなど。

    • つみたて投資枠:金融庁が選定したインデックス型投資信託。

(2) 新NISAの特徴

  1. 年間非課税枠が拡大

    • 旧NISAの120万円から360万円に大幅拡大。

  2. 非課税期間が無期限

    • いつまでも利益が非課税となる。

  3. 制度全体の非課税枠が明確化

    • 一生涯で利用できる非課税投資総額が1,800万円。

(3) メリット

  1. 長期・短期投資の両方に対応

    • つみたて投資枠で長期運用、成長投資枠で個別株やETFに投資可能。

  2. 利益の非課税効果が高い

    • 無期限で非課税運用が可能。

(4) デメリット

  1. 制度全体の枠に制限

    • 一生涯の非課税枠(1,800万円)を超えると課税口座に移行する必要がある。

  2. 商品選定が複雑

    • 成長投資枠とつみたて投資枠で異なる商品を選ぶ必要がある。

3. ジュニアNISA(子どものNISA)

(1) 概要

  • 非課税枠:年間80万円。

  • 非課税期間:2023年までの制度で5年間。

  • 対象者:0~19歳の未成年。

  • 特徴:親や祖父母が資金提供し、子どもの将来のために運用。

(2) 制度の変更点(2023年以降)

  1. 新規口座開設の終了

    • 2023年で新規口座開設は終了。

  2. 特例措置

    • 2024年以降、払い出しの制限がなくなり、子どもの自由に資金を使える。

(3) メリット

  1. 利益が非課税

    • 投資で得た配当金や売却益が非課税。

  2. 資産形成の学習

    • 子どもが投資に触れる機会を持てる。

(4) デメリット

  1. 2024年以降の新規投資不可

    • 既存の口座で運用するのみ。

  2. 対象商品が限られる

    • 子どものために適切な運用商品を選ぶ必要がある。

4. 旧NISAと新NISAの比較表

5. NISAやジュニアNISAの活用法

(1) 旧NISA

  • 短期~中期の運用を重視

    • 配当株や成長株、リスクを取れるETFを活用して利益を狙う。

(2) 新NISA

  • 両輪で活用

    • 成長投資枠で個別株やETFを運用。

    • つみたて投資枠で安定した長期の資産形成を目指す。

(3) ジュニアNISA

  • 既存口座の運用を最適化

    • 子どもの教育費や将来の資金を目的に、インデックス型投資信託で長期運用を目指す。

6. 注意点とアドバイス

  1. 非課税枠を有効活用

    • 毎年の非課税枠を無駄にせず、計画的に投資を行う。

  2. 新NISAの全体枠を意識

    • 一生涯で利用できる1,800万円を超えないよう、資金計画を立てる。

  3. ジュニアNISAの特例措置を活用

    • 2024年以降も既存の口座で資産を効率よく運用する。

まとめ:NISAを活用して効率的な資産形成を目指そう

旧NISAと新NISA、ジュニアNISAにはそれぞれの特徴と活用方法があります。新NISAでは、長期投資と短期投資を組み合わせてバランスの取れた運用が可能です。ジュニアNISAは特例措置を活用し、子どもの資産形成に役立てましょう。税制優遇制度を賢く活用することで、効率的な資産運用を実現できます。

いいなと思ったら応援しよう!