“たいへん”が惜しむ理由にはならない
お子が発熱すると保育園に預ける訳にはいかず、我が家の場合、基本的には私か妻のどちらかが自宅で世話をすることになる。
夫婦の仕事の状況を鑑み、今回は私がお子の世話をすることとなった。
子供は発熱に強いというか、大人からすればとても辛いだろうと思うような体温でも、そんなことはお構いなしで元気に遊び続けていたりする。
そうかと思えば、やはり身体はしんどいのだろう、動きが緩慢になってきたかと思えば布団の上で横になり、そのまま静かな寝息を立てていたりもする。
本人は大変だろうけれど、このめまぐるしさもまた、いとおかし。
今回は、お子が早々に眠りについた。
残された家事がなければ、いつ終了するかがわからない『私の時間』の始まりである。
仕事ができれば一番良いのだが、事務所にいるときに比べるとその制約は大きい。結果、仕事をしようとしたことそのものについて後悔することもよくある。
今日は、『仕事』とまでは言わないが、気になっていることについて、私の頭の中にあるものを文章化して捕まえることにした。
それは、私の所属する『なら・町家研究会』が奈良町で開催する講座とパネル展について。
以下がその成果である。
先日、私の所属する『なら・町家研究会』が、奈良町で講座とパネル展を開催することになった。
内容は『奈良町の町家改修について、事例やエピソードを紹介する』というもの。
発表者は総勢3名で、その中の1名が私。
私は奈良町における改修設計の実績はないのだが、周囲の勧めもあり『橿原市今井町で手掛けた事例を紹介する』ということになった。
私は、ご縁があって町家改修に関係する仕事の割合が多いのだが、中でも橿原市今井町に関するものが多い。
橿原市今井町は『重要伝統的建造物群保存地区』に指定された特殊なエリアゆえ、今回の発表についてはいささかの不安を覚えつつ、今日に至っている。
一方で、こういう機会があれば、かねてよりやってみたいと思っていたことがあったので、今回はそれを試みたいとも思っている。
それは…
依頼者・施工者・設計者(監理者)の『打合せ時のエピソード』を出来るだけ多く紹介すること。
『町家を改修する』という同じ目的を持った3者が、それぞれ異なる立場や思いを持って完成に向かうやりとりは、『建物改修のビフォー・アフター』という見た目だけでは判りにくい現実をイメージできるのではないかと思うからである。
誰かが納得できないことをそのままの形で進めると、結局のところ、関係する皆がご機嫌ではいられなくなってしまう。
町家の改修に限った話ではないとは思うが、互いに分かり合えていない部分を浮き彫りにし、折り合いをつけていくことはとても大事で、これを行うのは私の役目だと考えている。
そして、すべての折り合いがついたときに町家の改修は完了するのである。
町家の改修が完了したときに、依頼者・施工者・設計者(監理者)が達成感を分かち合えることは、素直に嬉しい。
そして、このような経験を経て改修された町家で、依頼者の豊かな暮らしが始まることを実感している。
この際、『豊かに暮らす』とはどういうことかについて考える機会にもなれば良いなとも思う、私としては。
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なら・町家研究会による町家講座とパネル展
『町家の再生とその実際 ~豊かに暮らす秘訣~』
【講座】
日 時:2024年9月21日(土)14時~
会 場:ならまち格子の家 つし二階
(奈良市元興寺町44)
定 員:20名(要・事前申込)
参加費:無料
申込先:ならまち格子の家(電話:0742-23-4820)
【パネル展】
日 時:2024年9月8日(日)13時~27日(金)17時
会 場:ならまち格子の家 離れ
※入場無料、申込不要
少しでも共感してもらえると嬉しい。
町家改修のことや、子育てのことを。
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