ささりな計画工房の足跡(3):業務用の小麦粉袋でエコバックをつくる(展示会への出品)
ささりな計画工房は一級建築士事務所ですが、事務所を開設するにあたり、屋号に『建築』や『設計』という文字を入れませんでした。
そんな『ささりな計画工房』がこれまでに手掛けた仕事などをまとめています。
※投稿は順不同です。
エゾシカエコバッグ展
日 時:2018年4月27日(金)~5月11日(金) ←イベントは終了しています
場 所:豆パン屋 アポロ 2階
事務所近くにある馴染みのパン屋さん『豆パン屋 アポロ』が開店15周年を記念して『エゾシカエコバッグ展』を開催することとなり、縁あって私もバッグを制作することになりました。
このパン屋さんが普段使用しているエゾシカ印の業務用小麦粉の空き袋は、本来ならば捨てられるところですが、アイデアや技術でエコバックに生まれ変わらせるというのがこの企画です。
店の常連さんでもある様々な人達が作家として参加されました。
私はバッグを作った経験がなく、袋を切って貼ったり編んだりとすると制作の難易度が上がるほか、完成品の丈夫さにも不安があったので、切らずに折って縫うことにしました。
スケッチや図面は描かずに手の感覚を頼りに、おおよその完成イメージを確認したら、まずは米袋で試作品づくり。そして、完成の目途が立ったらいよいよ本番です。
実際に作り始めてみてわかったことは、小麦粉袋は米袋より少し厚手であること、少々乱暴に扱っても破れないので安心して試行錯誤ができること、そして、袋がしわくちゃになったところでそれは風合いになるという、とても魅力的な素材であるということでした。
単に折るだけでは上手くいかないところは折り方を工夫し、厚手の紙を折り畳んで縫う際には下穴を開けるなど、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ作業を進めていきました。
バッグ裏側の両端に各1ヶ所ずつハトメを取り付けて、ストラップにする三つ編みの紙紐を差し込み、団子結びで留めれば完成…と思っていたら、他の制作者が仕上げにニスなどを塗っているという情報を得ます。
「このままでは終われないかも…」
と思っていたところ、ちょうど手持ちの傘に撥水スプレーを吹き付けるつもりだったことを思い出しました。
そこでこのバッグにも吹き付けてみたところ、落ち着いた色合いになってほっと一安心。
果たして、店舗2階の素敵な空間でお披露目することが出来ました。
頭だけで考えすぎず、手を動かして作りながら考えることで判ったことは、日頃の自分が抱いている興味・関心や思っていることが、そのまま形にできることもあるのだなということでした。
制作のプロセスを振り返ると、私が日頃から関わっている町家改修のそれに通じるものがあるようにも思いました。