感情もさることながら、とりあえず動く ~物事に取り組む前の心構え~
人は悲しいから泣くのではなく、面白いから笑うのでもないらしい。
その証拠に、悲しくもないのに泣いていると、なぜかしら悲しくなってくるし、面白くもないのに笑っていると、なぜかしら面白くなってくるのだという。
感情が涙や笑いを生み出すのではなく、順序が逆なのだという話。
これは、落語家の桂枝雀さんが噺の冒頭にマクラとして喋っていたもので、「つまらないと思う話でも、笑っているうちに面白いと思えるようになってくるのだから、私の落語が面白かろうが面白くなかろうが、兎にも角にもまず笑いましょう」というのがオチなのだが、私はこの話を思い出す度に、ココロとカラダの関係は実に不思議で面白いなと思う。
これは泣き笑いに限った話ではない。
「やる気が出ない」とボヤいている間は、やる気が無いので一向に物事が前に進まない。
ところが、とにかくやり始めてみると『やる気』が出てくるようで、気づけば没頭していることがあるのだ。
実践してみると、行動が感情に振り回されることなく、ある程度コントロール出来ることが分かる。
枝雀師から教えてもらったこのことを私は、物事に取り組む前の心構えとして、今でも大切にしている。