記事一覧
学ぶ力の正体と、その影響 - 学力喪失を読んで
学力喪失──認知科学による回復への道筋(今井むつみ著)という本を読んで、いくつか私にとっての重要な課題が整理されたので、それを記します。『学力喪失』の本の内容も含まれますが、それ以上に私自身の考えていること・課題の方に焦点があり、単なる感想記事ではないのでご注意ください。
※この本は非常に良い本なので、ぜひ買って読みましょう。
学ぶ力が失われるメカニズム『学力喪失』では、いわゆるテストの点数・偏
時代はどう動くか - 意志と情念と行動の織りなす合力、ワンピースがいま過去一で面白いのはなぜか
ワンピースが最近本当に面白いと思っています。過去、私が特に好きだったのは頂上戦争編とおでんの過去あたりでしたが、それがとうとう本編のルフィ自身にやってきたか、というのを感じています。
作者自身が、最終章が面白くなると言い続けていた通り、本当に面白くなり、またこれから先は絶対に面白いと断言できるようになってきました。
ところで、私はマンガを「大きなマンガ作話技術の流れ」あるいは「マンガ界の課題(?)
影響を受けた(好きな)マンガを100作品並べたら、自分への理解が進んだ
先日、ふと思い立って、自分が実際に読んで影響を受けたマンガを筆者別で100作品選んだところ、自分への理解が進み、20年弱ほどの謎が解けたので、それを記します。
100作品を選ぶルール元々のルールは以下でした。
メモ等は何も見ない。思い出す。インターネットも見ない。
純粋に自分自身がどれぐらい影響を受けたか、または自分自身がどれぐらい好きかによってランキングする。
ただし、考えるタイミングや
そこに描かれていない物を読み取ってしまう病 - タコピーと創作の魔力
この記事では、「また描かれてないものと戦っている記事があるな」と感じたことから始まった考察と、「しかしそれこそが創作でもあるんだな」という話をします。
描かれていないものを読み取る技術タコピーの原罪について、意見を述べた以下のような記事がありました。
この記事は個人の意見なので、まさしく文中に本人が書いているとおりに原則として何を書いてもよいですが、タコピーの原罪に関する記述を中心に色々と誤っ
タコピーと比べたりして考えるコードギアス
今更、アニメのコードギアスを50話通しで見て、思った事のメモです。最近、いくつかの映画やアニメを見た中で、コードギアスは中でも比較的面白く見ることができたので。
本当にただの雑多なメモです…
思いのすれ違いとアクシデントで紡がれる物語コードギアスはタコピーと比較すると、よりアクシデントで話が進む感が強くなっています。
タコピーの原罪において、タコピーがまりなちゃんを殺してしまったのは大きな事故で
最高のジェットコースター・タコピーの原罪に救いはないのか
現時点で存在するマンガの中で、トップレベルに面白いタコピーの原罪。
めちゃくちゃ面白い。いや、面白いというとちょっと人の心が無いのかもしれませんが、とにかく考えさせられます。
https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496638370192
私が過去に読んだマンガの中で、指折りで面白いのは間違いありません。これをリアルタイムで読むことができて、私は幸
【推しの子】10秒で泣ける天才子役 - 進化する感情ポルノと克服の描写
この記事は、【推しの子】の65話までの重大なネタバレを含みます。本当に重大なネタバレなので、未読の方は注意ください。
65話で回収した伏線と、10秒で泣ける天才子役とは誰の事だったか、について語ります。
※以下、本文中では単に推しの子と表記します...
許せない事はあっても、純粋に面白い推しの子はじめに強く述べておきたい事があります。私は推しの子について、全く納得できていない事があるのです。
そ
オリンピックに思うこと
まだオリンピック終わってもいないんですけど、タイミング的に今を逃すと書かなくなる気がして、フレッシュなうちに思ったことを書き残しておきます。
この状況での開催の是非ということはじめに、私は単純にオリンピックを開催するという事については賛成です。(でした。)
勿論、医療的なリソースが逼迫している中でそんな事が許されるのかとか、いろいろな議論はあると思いますし、個人の意見は個人の意見として尊重します
努力・友情・勝利の先 - 私の心が何に動くのか(ルックバックに寄せて)
私は少年マンガが大好きで、かつては銃夢、最近では鬼滅の刃に大きく心を動かされました。(後述のとおり、吾峠呼世晴先生は天才と思います。)
ルックバック。
すごい。すごい、これは確かに当代随一でなければできない。下手に天才を標榜した漫画よりは、天才が辿る道を具体的に示している。一種の芸術的な完成度は確かにある。本人の中でつながった事実を、抽象化して構造として取り出しつつ再構成して、劇として・画とし
競技プログラミングとエンジョイと誠実さ
競技プログラミング界隈で、"怪文書"が流行っています。
この文書の誤読がリトマス試験紙になる...
正しいけど絶望的な状況について、なんだろう、感情を揺り動かされてしまい、その状況をもう少しお互いにわかるようにするための「解説」をするためのものです。とにかく"誤読"というか、相互で見えない立場が気になってしまった。それに尽きます。
はじめに、どういうスタンスで自分がこの記事を書いているか?という事
理屈を超えた世界との向き合い方 - 「こどものあいだ」に教えることベーシック
昨日、「こどものあいだ」に子供に知っておいて欲しい12のことをまとめました。その内容より、もっとベーシックかつ価値観・道徳に踏み込んだ部分で教えるべきことについても、改めてまとめてみます。
このベーシックな内容については、先日の12のこと以上に賛否両論があり得るものだと思います。それを誰かに強制するという事ではなくて、「私はこのように子供を育てたい」という意思表示に近いものになっているのかなと思い
「こどものあいだ」に子供に知っておいて欲しい12のこと - 世界をロジカルに捉える
感情、思想、主義、主張。
人を人たらしめる要素には様々なものがあると思います。
人が育つとは、そうした様々なものを作り上げ、また磨き、時に崩れ去るというサイクルです。その人が生きる上で接触するあらゆるものを取り入れて「育つ」というサイクルは動き、文字通りの人生を作り上げてゆきます。
育つということは自発的なことですが、一方で他者が育つことを促す、「育てる」という概念もあります。最も典型的な事例を取
情報と仕事量のバランスと、組織デザイン
前回、「失敗の本質」の一部内容を通じて、「官僚・人的ネットワークハイブリッド組織」というものを紹介しました。(前回の記事:いらすとで学ぶ「失敗の本質」)
本記事では、この「エセ官僚組織」とも言える組織構造について改めて考察して、
・組織デザインによって情報や仕事の偏在がコントロールされること
・組織デザインおよび「組織の今の形」は成員各自の行動によって変容すること
・仕事が集中しすぎる・個人への強