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参天台五台山記読記028
五月一日(庚辰)
本日は晴れた。巳時に、大家の張三郎が来て、「天台山への参拝申し込みは、宿坊主の名前を追加する必要があるため、呼ばれている。もう一回政府へ出向く」と言われた。
午時に、淨慈寺の妙恵大師(勅賜達観禅師)が牒(パスポートに相当する公文書)を送ってくれた。「二日間の斎会」とのことだった。
申時に、大家の張三郎、船頭の呉十郎が一緒に来た。知府、都督は大師のお志が丁寧であるため、二人共が署名してくれた。来日、天台にお参りして良い」と仰った。
七時に勤行を修了した。
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二日(辛巳)
雨が降った。午時に、霊隠寺の僧徳賛が訪れ、天台山への参拝の途中で飲むお茶として2本のお茶を頂戴した。そのお礼として、彼に一本の小刀を差し上げた。また、明慶院の浴堂僧も訪れ、2本のお茶を寄贈してくださった。お礼として、彼に2丁の剃刀を差し上げた。
申時に、陳一郎が来て、府の漕ぎ手二人を其々百文の賃金で確保したと伝えてくれた。それで、長命銭二百文を彼に渡した。(長命銭は、「長命冨貴」「金玉満堂」など縁起の良いフレーズが入った非官製通貨のことを指す。現在の中国でも、縁起の良い言葉が表紙に印刷された紅包がほとんどである。)
七時に勤行を修了した。
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