お稲荷さんの『徳返し』
(2014年6月4日ブログ記事より)
基本的に、神さまとか、お稲荷さんとか、
「わーい!おともだちー」
っていう感じの、ささなお。
よく、
「お稲荷さんって、怖い感じがするんだけど・・・」
って言われることがあります。
うん、たしかに、場所によって、なんか怖そうってところ、ありますよね。
今日はね、そんな、お稲荷さんについてのエピソードをひとつ。
「お稲荷さんに不用意にお願いすると、
お礼をがっぽり取っていかれることがある・・・」
っていう説が、あるんです。
まぁ、お稲荷さんも、いろんな神さまがありますから、
中にはそういうお稲荷さんもいることでしょう。
(深くはここでは言及するまい・・・)
でも、もともと、お稲荷さんは、いろいろありますが、ひとつは、
「人間がそこに移住する前に住んでいた動物などの魂」
に対して、
「すみませんが、ここに住まわせてもらいますね。
代わりに、神様として、お祀りしますから」
という心で、祠を建てた、そんな場所。
(そのあと、やれ五穀豊穣だなんだと、お願いするようになったりするわけですが・・・あるいは、五穀豊穣を祈るための装置としてお稲荷さんを作る、という逆パターンも発生したりするわけですが)
あるとき、私、市ヶ谷八幡神社の境内にある立身出世稲荷で、仕事のご縁繋をお願いしたことがありました。
で、その後、めでたく転職し、とっても良い場所でお仕事させていただけることに。
(期間限定でしたが)
そこで、例の「お礼を取られるかも」疑惑ですよ。
ねぇ、怖いですね?
で、お稲荷さんってネットワークがすごいので、
神田明神さんの裏手にあるお稲荷さんに行った時に、
「あの時にお願いしたことのお返しは、済んでますか?」
って聞いてみたんです。
そしたらね、そこのお稲荷さんが、教えてくれました。
(めっちゃ江戸っ子のべらんめえ口調。
ちなみに、お稲荷さんは、みんな、基本的に訛ってます。
土地の言葉でしゃべります)
「おれらはよぉ、なにもお足(現金)で
礼を取ってったりはしねぇのよ。
おまえさんが、おれらが紹介した職場で、
毎日毎日、一生懸命働いてくれっとよ、
それが【徳】として、積み重なってって、
その【徳】が、おれらへの謝礼となるって寸法よ。
これを【徳返し】(とくがえし)って呼んでてよ、
日の本のイナリは、この【徳返し】ってシステムで
やってんのさ。
だからよ、仕事で気を抜くなよ?
おれったが、ちゃーんと見張ってっからよ!
しっかり徳をつんで、返(けえ)してくんな。
応援してっからよ!」
ほっへーーーーー!!!
【徳返し】!
聞いたことないーーー!
そんなステキなシステムになっていたとは!
それを聞いてから、ますますお仕事を、一生懸命、
感謝の気持ちでやるようになったことは、言うまでもありません。
だって、お稲荷さんが、そばにいてしっかり見守ってくれてるって、
分かったんですもの。
そりゃー気が抜けない、というか、嬉しい、に決まってますものね♪