【12】いちごのモダンガール
さんがつ、おついたちさま。
まちのケーキ屋さんのショートケーキが食べたい今日この頃の気分をてぬぐいに託して。(2017.3.1記)
「ケーキ屋さん」
最寄りの駅基準なら、私の住むまちにはケーキ屋さんがない。徒歩圏内、チャリ圏内なら数軒あるものの、日常的に利用したことがない。
外出ついでのデパ地下で調達するかコンビニスイーツを買うかくらいで、いわゆるまちのケーキ屋さんの存在を忘れていた。近所のパン屋さんは利用しても、近所のケーキ屋さんのことをこれっぽっちも考えたことがなかった。
そもそも記念日やご褒美スイーツなるものをケーキ屋さんでわざわざ買わなくなったのは、ちょっとしたものなら自分で作るようになったからで、とはいっても、いつもバカのひとつ覚え的にシフォンケーキを焼くだけでリッチなものではない。
もうずっと前のことだけど、チャリ圏内にあるケーキ屋さんの中でもおそらく一番古くて庶民的であろう小さなケーキ屋さんにふらりと入った。
ショーケースの中のいちごのショートケーキはホールをカットした三角形タイプではなく、円柱状で、それだけとてもモダンに見えたのだけど、今思えば三角形のもあったかもしれない。
その後、またあのモダンガールが食べたくて、というより見たくて、というより会いたくてお店に行くと、モダンガールの姿はなくトライアングルボーイしかなかった。
今日はモダンガールいないの? とは聞けず、その時はトライアングルボーイでもなく、なんか別のケーキを買って帰ったのだけど、今はどうだろうか。