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シェイクスピア「夏の夜の夢」観劇
夫の修士の学生さんがなんとアマチュア劇団の俳優をしていまして、是非にと招かれたので隣町までお芝居を観に行ってきました。
題目はシェイクスピア原作の喜劇「夏の夜の夢」。たいへん有名な戯曲ですが、私は初めてじっくり観覧。
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詳しいストーリーはWiki先生にお任せ♪(←コラ)
ものすごくシンプルにしますと、妖精王オベロンがしもべのパックに命じて自分の妻や人間たちに惚れ薬を使ったら、あらたいへん、間違った相手に使ってしまって妻や男女4人が大混乱!しかし最後は丸く収まりめでたしめでたし大団円、という物語です。
ちなみに、シェイクスピアの芝居は大昔に夫とロンドンにあるシェイクスピアズ・グローブへ観に行ったことがある程度。この劇場はエリザベス朝時代に焼失した劇場を考証に基づいて再建したもので、屋根は茅葺きだったりします。建物だけでも一見の価値あり。
で、ここで観たのは『ヘンリー5世』だったかなんだったか…当時のままの音響設備に加えて席が舞台から遠く、おまけに古典英語ですし、悲しいかなさっぱり話が理解できませんでした。屋根がない円形劇場でして、真夏につき直射日光がガンガン当たって暑くてならず、座席が固くてお尻が痛かったのは覚えているんだけどなぁ。オヨヨ。しかし建物は本当に素晴らしかった。また行って今度こそいい席で観劇してみたいものです。
話を戻して『夏の夜の夢』です。
地下にある劇場は小ぢんまりとしていて、舞台はこのようなセッティングになっていました。あのアンティークな椅子がシーシアスとヒポリタの玉座らしい。森の表現が前衛的で雰囲気があります。
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収容人数は100人程度でしょうか。客席の奥手にバーがあったりします。客席はほぼ満席でした(俳優のご家族か友人方なのか、花束持参のお客さんもちらほら)。
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お芝居の感想としましては、たいへん面白かったです♪二時間(休憩挟む)の上演でしたが、笑い転げてばかりでした。演出をあちこち現代的にしてあり、コメディをこれでもかと投入してくるので客席が爆笑の嵐。
シェイクスピアの原文の台詞は「言ってることはわかるけど詩的表現はさっぱり」(韻を踏んだ美しい響きなんだけれども、味わうレベルの理解には到底及ばないのでありました)という理解度でしたが、話についていくのは難しくなかったです。なにしろ喜劇ですしね。息子も笑いっぱなしで楽しかった様子。二時間飽きずに集中して楽しんでいました。
件の夫の学生さんですが、演技が素晴らしかった!いや、彼はカリスマがあるなと惚れ惚れしました。オベロンを演じたのですが、自己愛強めでキテレツでお騒がせな性格に、半袖シャツにダボットしたデニム、ヘアスタイルはモジャモジャっとした外見という奇抜さ(どんな妖精王…)。しかし、表情から身ごなしから声の使い方まで、一瞬でその場の空気を変え、観衆の視線を引きつける何かがあるなぁと思いました。なかなか優秀な理系の学生さんらしいのですが、将来の進路はどうするんだろうと気になりました(夫も突っ込んで訊ねていないらしく)。アマチュアとはいえ日々の稽古はかなりの負担があるだろうし。とても才能がありそうな方に思えるので、続けていただきたいものです。
他の俳優さんたちも皆さん凄かった。年齢層も様々で、属性もばらばらに見えますが、集中力といい演技力といいたいへんなレベルの高さと迫力でした。それぞれのキャラクターには、それぞれの個性を表す表現というものが当然ながらはっきりとあって、小説とも似ているなと勉強になりました。この役どころであれば口調はこう、喋り方はこう、動きの特徴はこう、と極端に強調されるのがお芝居。小説でここまでやるとわざとらしいけれど、すごく参考になる部分があるなぁと感じ入りました。
色々と発見のある、とても楽しいひと時となりました。