好きな色をまとう
うなだれるように暑い夏が終わりに差し掛かり、いよいよ秋服の出番だ!と思い、押し入れの奥から秋服を引っ張り出したときのこと。
トレーナーにシャツ、スカートにパンツ…と、たくさんの服があるのに、目に入った瞬間なんともしっくりこなかったのだ。
今年も着ようと思えるお気に入りの服もあるが、「なんでこれ買ったんだっけ?」と疑問を抱いた服の方が多かった。
しっくりこない服たちをまとめ、どうしようかと悩んでいた時、私はふと気がついた。
しっくりこなかった服の色は、全て黒か白。
私は、黒い服も白い服も好きだし着る。だから買った。
けれども、どちらかというと、今の私は明るく笑って楽しく生きていたいという思いが強く、オレンジや黄色、ピンクなど、カラフルな服を纏っていたい気持ちが強いのだ。
その証に、最近髪色を、金髪からオレンジに髪色を変えたばかり。
思いつきでオレンジに変えたが、今の自分にしっくりきているし、鏡で自分を見ると「オレンジ似合うな〜」と気分が上がる。
じゃあ、なぜ去年の私は黒と白の服ばかり着ていたのか。
それはきっと、心に余裕がなく、明るい色を身にまとう気力も体力もなかったからだと思う。
1年前、私はちょうど元夫とこれ以上夫婦関係を継続できないと感じ、離婚を切り出した時期だった。
離婚を切り出して、家庭内別居して、引越し先を探しながら仕事を並行して……と、振り返るとあのときは生きるので精一杯だったなと思う。
紆余曲折を経て、無事に離婚し、人生初めての1人暮らしにも慣れてきた今、私は本来自分が好きなカラフルな色を身にまとう心の余裕ができたのだ。
だから私は、去年まで来ていた黒と白の服にお別れを告げ、古着屋でカラフルな服をたくさん買った。
おかげでここ最近は、毎日服を選ぶ時間が楽しい。
その日の気分に合わせた色の服を選ぶ時間はワクワクするし、ちょっと面倒な用事があるときも、好きな色の服を着ていればめんどくさいという気持ちをかき消してくれる。
好きな色を身にまとう。
シンプルなことだけど、人生に彩りを添えてくれる。
これからも、もっと自分が好きな色を身にまとって、笑顔で生活できますように。