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好きな理由は語るべからず
好きな理由は語ってはならない。
好きな理由を語れば語るほど別のものを好んでもいい理由になってしまう。
例えば、『不思議の国のアリス』のどこが好きなのかと訊かれて、
「大人の女(蝶)として羽ばたく以前の少女(蛹)の話で共感できるから」
と理由を述べれば、別に『不思議の国のアリス』ではなく堤中納言物語の「虫を愛づる姫君」が好きでもよくなってしまう。
「女王が記憶力は過去と未来の2方向に働いて
情死:『少年のアビス』を読んで
最近あまり漫画を読んでいなかったが、久しぶりに峰浪りょう氏の『少年のアビス』を読んで嵌まった。
あらすじはWikipediaより以下の通り。
(舞台となった情死ヶ淵は『進撃の巨人』の作者諌山創氏の故郷大分県日田市に実在する場所であり、実際に心中事件があったそうである。)
さて、この漫画を読んでわたしは以前知人に言われた言葉を思い出した。
その言葉というのが
「好きな人ってのは一緒に死にたい
澁澤龍彦生誕祭~ざっくばらんに個人的思い出を振り返って
本日5月8日は澁澤龍彦氏の96回目の生辰である。
本当は今日にあわせて、書いていたnoteを公開したかったのだが、書き終わらなかったので、そちらは8月5日の「ドラコニア忌」、澁澤さんの命日にあわせて出したいと思う。
しかし、せっかくの辰年の5月8日に何も出さないのは、少々惜しい気がするので、昨年と同様にざっくばらんに個人的思い出を振り返ってみることにする。
まず、彼との出逢いは、高校1年の夏