アイビー経営者からの教え〜成熟社会における財とは〜
期待と実際のGAP
バブルが収まった後、大勢の消費者が「良い物を知っている」。「消費に関しても相当に賢くなっている、一巡している。」状態へ。
お店とは、お金をかけないにつきる。
綺麗なお店、良い立地に出したら、消費者は「ここまでやったら商品にお金を費やせるはずがない。」もしくは「この分のコストは私たちが払うのだろう・・・」と思うはず。
だから最初のお店はダンボールを加工して、自分で棚を作って、倉庫のような出で立ちに構えた。すると「こんなお金をかけていないお店なんて、大丈夫か・・・? or 商品が良いから自信があるのか?」と思うはず。
筆者注:これを【期待値と実際のGAP】といいます。
この差が大きければ大きいほど、人は感動=リピートします。
値付け・プライシング
自分で勝手に値付けできるのが肝要。
当初、資本もブランドもない以上、お客様の支持がなければ戦えない。
消費者である私が納得する品質で、一つの財に出せる価格を、吟味する。
結果、原価率120%と言うキワモノも出てきてしまった。
でも、これは自分の力不足。お客様にその分を負担していただこうと思うのは、怠慢であると考えました。
そう言うものもあるけれど、その品質と価格の場バランスが顧客を生み、量が増え、コストがさがってくれば良いと考えた。
自己実現のマーケットとはどんなところ?
安全安心・優越差別、その先にあるのが「自己実現」。
ウィスキーの例でいえば、舶来品を大切に棚に飾って、客人が来た時に「どうだ!」とみせるのは「優越」、日常で嗜み、その製造工程に想いを馳せ、職人をリスペクトするのが「自己実現」と言えるでしょう。
筆者注:その先に「自己貢献」があるともされますが、どこまでも行ってしまいそうなので紹介だけに留めます。
そう、優越であれば、そのような商品を出せばみんなそっちにいった。
ただ、自己実現は、集団の問題でなく、一人一人がどう生きたいかの個別の問題。だからブームはすぐさる。自分の本心で向き合っていないから。
だから商売をする時に考えたのは、誰にでも彼にでも売るのでなく、「私が実践したいライフスタイル」、これを明らかにして、実装して、この指に止まってくれる人に売る。
さらに、そのお客様が私が想定した通りの使い方をしないと意味がなく、
そうすれば必ず商品にロイヤリティを感じてくださるはず。
そういう意図を商品に具備していく。これが商品戦略。
そうしてお客様がその商品を消化した後に、また次に来てくださる。
このサイクルをどのようにして作るか?これがマーケティング戦略。
そうして「もう一度あのお店で買いたいな」=それなりの評価・プレステージを、それが数年続くとブランドになります。
お店が意図してるのはもちろんですが、これを実現するのはお客様ということをお忘れなく。
専門店の強み=世界のどこよりも種類がある
一つのもので品揃えが豊富。
たくさんのものを同時に提案。
前者の効果は、お客様がいらっしゃるのは「良いOOを見つけたいから」
後者は「なんとなく良いのがあれば」
結果、前者では来店者の購買率は高く、
後者は平均3〜4%と言われます。
石津健介先生の組織論
「毎日会社に遊びに来なさい。」
「会社というのは楽しくなければダメだ。」
「つまらない仕事はなかなか覚えられないけれど、楽しければ皆上達する。」
「洋服でなく、風俗=文化を売るんだ!」1966年にいっておられた。
日本人のライフスタイルを作り上げていく。
明日が楽しくなるライフスタイルを。
顧客の再考
「こういう人がお客さんであるべき。そうしてその人がまたお客さんを読んでくれるだろう。」
こんな風にシンパを作り上げていく仕組みを作ろう。
そうでないと安定的なポジションは取れない。
「たまたま立地が良い」レベルではすぐに環境に変化に置いてかれる。
大袈裟にいうと、哲学的な部分でどれだけシンパを集められるか。
そういう自分づくりに、どれだけ励めるか。
緊張感ある関係を築けるか
供給側と販売側。
お客様と離れたところで、このプレイヤーたちに緊張感ある情報交換ができるかが、会社が生き残る道です。
供給側は、基本的に、「今日の続きは明日。」と思って仕事をします。
商品開発
機能性で売っていくと・・「去年よりさらに良いもの」を。
すなわち、去年のものは廃盤へ・・・
知られている通りプロパーの消化率は30%程度で、残りはセールだと身となって、2枚でいくらという売り方になり、黒字にならない。
では陳腐化しないものとは何か?
シャツであれば綿100%のシャツは普遍的。こんな風に陳腐化しないスタイルとは何か?を追求していく商品は、その商品がその人の生活のあり方すら変えてしまい得る。
消費でなく、消化していく。
人が感動する、感化されるのは、燃費でも・耐久性でも・コスパでもない。
そのもの・サービスが語りかける「価値観」です。
CRMはどうやるか?
それ以前に、「この商品はこう楽しめる」「洋服はこう着るべき」などという教育・エヂュケーショナルなコンテンツを、WEB上で配信していく。
それが欲望のトリガーになっていく。
※筆者注:【パーソナライズされたメルマガ】は、もちろん有効でしょう。
どのようにデータを収取し、パーソナライズし、それに見合ったコンテンツを投げられるか。その精度が重要で、その知見を持ったスタッフの育成が不可欠です。
そう、こうして本来のお客様は満足することはもちろん、
少し違う視点をお持ちの方も、この顧客の輪の中に入ってきていただくきっかけにします。
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