雛の客とはたましひを身のそとに 岡田一実(鏡47号)
雛の客とはたましひを身のそとに 岡田一実 (鏡47号)
たましいは普通は身のうちに秘められている(と人間は無意識に思っている)もので、身の外側に出ているたましいってだいぶ無防備で危うい気がする。誰かに傷つけられてしまいそうな、なんなら他のものに持っていかれてしまいそうな。
雛の客になるとき、または雛に限らず美術品などを見るとき、たましいがちょっと身の外に出ているような感じがある。たましいに外の空気吸わせてあげる感じというか。うつくしいものを見るとき、世界に対する心の垣根を取り去っていると思う。
魂と外の表記をひらくことでどこか澄んだ印象があり、美しさと危うさの同居した句だと思う。