朝に希望

普段は版元で編集者をやっています。読んだこと、思ったこと、考えたことなどの駄文。無駄とくだらなさを大切にしております。

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最近の記事

文章の柔軟性

1年ぶりの更新。最近、ひょんな出会いからお誘いをいただき、うちうちで開催されている「ライティングクラブ」なるものに参加させていただいている。先生は、わたしも憧れている著名な作家(!)の担当編集でもある、大手出版社の編集者だ。そんな会に呼んでいただけることは大変光栄で「まじ感謝🙏」って感じなのだが、ひとに見られる文章を書くのってすっごく難しい。 めちゃくちゃ時間を使って頭を悩ませて書いているので、「まあ、そこそこ面白いかな」というものが書けるには書ける(あくまでも自己評価であ

    • 囲碁将棋、Breaking Down、笑い/続き

      時間が空いたけど、この前の続き。 先日書いた囲碁将棋のことと並んで、最近おもしれ〜と思って見ているのがYouTubeでやっている「Breaking Down」のオーディション。最近芸人たちがこぞって「Breaking Down」のパロディをしていて(さらば青春の光YouTube、空気階段ラジオなど)、元ネタをまったく知らなかったので、どれ見てみるか、と軽い気持ちで見始めたらすぐにハマった。 「Breaking Down」というのは、格闘家の朝倉未来がプロデュースしている格

      • 囲碁将棋、Breaking Down、笑い

        世間の流れと同じく、コロナ禍になってラジオやポッドキャストを聞く時間が長くなった。改めて考えると「よくもまあ」と自分に言いたくなるくらい、ご飯の時、家事をしながら、電車のなかで、散歩中に、あらゆる場面で聞きまくっている。そして、そのほとんどがお笑い芸人と呼ばれる人たちの番組で、自然な流れで「お笑い」そのものも大好きになり、わたしはM-1やキングオブコントを“にわか”として支える最下層のお笑いファンとなった。 ただ、なぜか劇場に足を運ぶことは躊躇している自分がいた。落語などの

        • 庭付き戸建てに大型犬

          「死ぬまでに叶えたいことを100個あげてください」。以前誰かのつぶやきか、どこかのセミナーか、何かの自己啓発本で、そんな文言を見かけて安直に実践してみたことがある。 村上春樹に会いたい。外国に住みたい。本を出版したい。うーんうーん。親孝行したい。庭いじりをしたい。自分をなめらかに表現できるようになりたい。 実現可能性の高いものや低いもの、具体的なものから抽象的なものまでいろいろ。ただ、日々の暮らしの小さな欲求はたくさんあるのに、いざ「人生」と対峙するとその大きさに釣り合う

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          かっこ悪くてもいい

          昨日、1年ぶりくらいに文章(おばあちゃんのこと)を書いた。書いている途中に何度か泣いた。自分のために書いた文章だった。でも以前にnoteを書いていた頃に比べて、反応が少なく、そのことをちょっと気にしている自分がどこかにいた。そんな自分をかっこ悪いなと思った。 しかし、そもそも自分はかっこ悪くて根性のない人間だ。何かに夢中になったかと思えばすぐに放り出し、続けようと思ったことは続かず、決心した気持ちはすぐに揺らぐ。だから、せめて「かっこ悪い」感じ、すなわち「頑張っちゃってる」

          かっこ悪くてもいい

          もうすぐ100歳に届く長い長い人生

          おばあちゃんが亡くなったという連絡が母から来たのは、8月の終わりの明るい夕方だった。その日わたしは、大学の友人らと飲みに行く約束があって、そろそろ準備をしなければならない時間なのに、惰性でベッドから起き上がれずにいた。電話口の母は諭すように落ち着いていて、これからしなければならないことを違和感があるくらいにテキパキと話して、電話を切った。実家のある北海道には、通夜に間に合うように明朝の飛行機で帰る。つまりきょうは物理的には時間があるけど、こういう場合って飲み会に参加してもいい

          もうすぐ100歳に届く長い長い人生

          「朝に希望」の約3ヵ月ぶりのnote

          こんにちは。こんばんは。おはようございます。朝に希望です。こう見えても私、今年の5月くらいまで約8ヵ月間ほど毎日更新していたんですよ。それがどうしたことでしょう。すっかり更新が途絶えて、気がつけば月日はめぐり早3ヵ月……。時の流れというのは、恐ろしいものですね。 というわけで、みなさんご無沙汰しております。わたしは生きています。 ここで言い訳がましく、この3ヵ月何をしていたのか簡単にお伝えしようと思います。更新が途絶えた8月以降、これまでから想像を絶するほどわたしの仕事は

          「朝に希望」の約3ヵ月ぶりのnote

          買い物は投票だ

          という話を近頃よく聞くが、いったい自分はどれくらい実践できているのだろう。最近よくそんなふうに考えて、我が身を振り返っている。 近年のような環境への関心が高まり始める前から、「いいものを長く」みたいなことはずっと言われてきた。2010年代初めからは「丁寧な暮らし」という言葉がささやかれ始め、2013年にはマガジンハウスの『&Premium』も創刊。『暮しの手帖』の編集長を務めていた松浦弥太郎氏も、そういえばあの頃はかなりフィーチャーされていた。 とりあえずトレンドに乗っか

          買い物は投票だ

          不思議すぎてするしかない感謝

          今日は短めでいきます。 4月21日にリリースされているから、もうご存知の人も多いかもしれないが、U-zhaanとKAKATOによるアルバム「たのしみ」が超最高。とにかくユルくて楽しいグルーヴ。身近な平和の再発見。心開ける文化系ラップ。ある作家のブログを読んでこのアルバムの存在を知り、ここしばらくリピートリピート&ヘビロテしている。 私は、いかにも「つよつよ」な雰囲気の(精神的マッチョ感が強い)男性がやや苦手で、ラッパーってそういう「女」「ナンパ」「遊ぶ」みたいな男くさいイ

          不思議すぎてするしかない感謝

          三日坊主に手を伸ばす

          とりあえず「書くことを続けます」宣言をした手前、せめて三日坊主くらいにはなろうと意気込み、今日もパソコンに向かう。本日は珍しくわりと真面目に仕事に取り組んだため、私の肉体は完全にしなびている。おまけに会社から一歩も外へ出なかったので、何も書くことがない。それでもカタカタとキーボードを打ち鳴らすこの状況は、いったい誰に対する意地なのだろう。 ところで、あなたは最近本を読んでいるだろうか。私はどっぷり本を読みまくっている時と、まったく本が手に付かない時が著しく二極化している。ち

          三日坊主に手を伸ばす

          なんでもかんでもぶちこんで

          昨夜は家全体に激しく打ちつける雨音のせいで、まったくうまく寝られなかった。今日だって時折強くなったり小康状態になったりはするものの、雨はずうっと降り続いている。午前中から夕方のような薄暗さであったため、時間の感覚はゆるく麻痺していき、灰色の世界の中でひとりぼっちになったような気持ちになった。 しかし、こんな雨の日は「どこかに出かけないと」という休みの日特有の焦燥感に駆られることもなく、家の中でゆっくりと羽を伸ばすことができる。それはインドア派の私にとっては、静かに喜ばしい出

          なんでもかんでもぶちこんで

          夏の思い出など

          7月24日の投稿を最後にぱったりと更新をやめてから、時間は透明な風のようにとおりすぎ、気がつけば3週間が経ってしまった。東京オリンピックが始まり、そして終わるまでの時間(それ以上)だ。「時間を見つけて毎日何かしら書こう」と思っていた意地も、一度砕けてしまえばあっという間に“やらない”が習慣化してしまう。あの頑なな決意はどこへ消えたのだろうか。 とにもかくにも、この3週間の出来事を久しぶりに綴りたい。またもやご無沙汰しております。 さて、批判的な気持ちを持たれる方もいるかも

          夏の思い出など

          どこかの彼方でオリンピックが始まった

          昨日、どうやらこの国ではオリンピックというものが始まったらしい。この世界的イベントに関しては、多くの人がさまざまに個別な想いを抱えていることだろう。わたしの部屋にはテレビがないので、朝起きて、Twitterに並ぶ文字情報で「こんなことがあったのか」と開会式の内容を知った。とはいえ、それを見たとて「ああ、見たかった」という想いが湧いてくるわけではない。冷めた目で「ああ、そうですか」程度にしか思わなかった。 つい数日前には、「五輪は中止」「あいつに責任者の資格はないので辞任だ」

          どこかの彼方でオリンピックが始まった

          朝型・夜型問題

          私は完全な朝型人間だ。今日も5時頃には自然と目を覚まし、トイレに行き、手洗いとうがいをし、家の窓をすべて開けた。東京の23区内に住んではいるが、窓の外からは鳥たちの活発な鳴き声が聞こえる。セミも鳴き始める。「世界の始まり」のような新鮮でさっぱりとした朝が私は好きだ。 しかし一方で「夜型」と呼ばれる人間もこの世の中にはいるらしい。職場で一緒に働いている女の子は、美術系の学校を卒業しているのだが「周りの友だちはみんな夜型しかいない」と話していた。夜型の人間というのは、いつも「気

          朝型・夜型問題

          AMERICAN UTOPIAに触発される

          昨日は朝一で映画を観に行くと書いた。観てきたのはこれだ。 以前映画館で予告編を見てその存在を知り、なんとなく気になってはいたのだが、このご時世もあり積極的に映画館に足を運ぶ、という気持ちにまではなかなかならなかった。それでも「行こう」と思い立ったのは、近くの先輩が「好きだと思うよ」と勧めてくれたから。これが、なんかもう、すごかった。 この映画はブロードウェイのミュージカル「AMERICAN UTOPIA」を、スパイク・リーが映像化したものだ。そしてこの集団を率いるのが、デ

          AMERICAN UTOPIAに触発される

          休みの前日にほぼ休む

          この真夏の最中、引越し無事に完了しました。私、今日はゆるゆるモードでお仕事に取り組ませていただきます(いつもゆるゆるじゃないか、というツッコミが入りそうだが)。何事も緊張と弛緩、そのバランスが大事なのだと自らを納得させる。この“ご都合主義”がわたしの数少ない美徳と言えるだろう。 実は今日これから、(仕事だというのに)朝一で映画を観に行こうとしているのだ。大丈夫。そもそも我が社はフレックス。それにおおよそ始業の時間には仕事をスタートさせられるはずだ。明日からいよいよ4連休が始

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