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ジョージ・オーウェルはマスメディアをどうみていたか?
ぼくは若い頃から、どんな事件も新聞には正確に報道されることがないのを知っていた。しかし、スペインで初めて、新聞が事実とは何の関係もない、ふつうの噓に含まれている程度の関係さえない報道をするのを見た。戦闘などまったくなかったのに大激戦が報じられ、何百人もの兵士が死んだのに完全な沈黙が守られていた。勇敢に戦った部隊が卑怯者、裏切者として非難され、一発の銃弾すら見なかったような連中が勝利の英雄としてもてはやされていた。ロンドンの新聞はこうした噓の受売りをし、のぼせあがった知識人たちは、起りもしなかった事件をもとに、感情的な上部構造をきずきあげていた。歴史は、実際のはなし、起ったことにもとづいてではなく、さまざまの「党の路線」によって起っているはずだったことをもとにして書かれていた。